Economist誌2月7日号の解説記事が、パナマ最高裁が中国系企業にパナマ運河港湾管理運営権を与えた契約を憲法違反とする判決を下したことをトランプ政権にとって成果であると評価し、今後の西半球においてトランプが目指す秩序の先例となる、とする解説記事を掲載している。要旨は次の通り。
1年間にわたる脅迫と西半球支配宣言の後、トランプがパナマ運河を「奪還」し、中国の支配から奪い取るとするキャンペーンはついに成果を上げた。1月29日、パナマ最高裁は、香港に拠点を置くCKハチソン社の子会社であるパナマ・ポート・カンパニーが締結している運河両端の港湾運営契約は、パナマ憲法に違反するとの判決を下した。
翌日、パナマのムリーノ大統領は、新たな契約が入札されるまで、デンマークのマースク社傘下のAPMターミナルズが港湾運営を行うと述べた。米国の圧力なしに、こうした事態が起こったとは想像しがたい。しかし、パナマには新たなリスクが迫っている。
昨年3月、トランプの運河問題は商業取引で解決される可能性が示唆された。西側企業連合が、CKハチソン社とのより広範な取引の一環として、港湾管理権を取得する予定だった。
しかし、中国政府はこの売却に抵抗し、取引完了期限の3日後、パナマ会計検査院はCKハチソン社に関する訴訟を最高裁判所に提訴した。多くのパナマ国民は、自国の政府と司法制度がトランプの言いなりになっているという印象に憤慨している。
中国の香港マカオ事務弁公室は、この判決を「ばかげている」と非難し、パナマは「重い代償」を払うことになると付け加えた。最高裁判決には控訴はできないものの、国際仲裁に付託することは可能だ。2月3日、CKハチソン社は国際仲裁に付託する意向を示した。
これは、歴代政権下でCKハチソン社に便宜を図ってきたパナマの政治エリートたちの評判にも大きな打撃となろう。中国には、パナマ船籍船舶の制限、同国へのインフラ資金援助の削減、あるいは代替の海洋横断貿易ルートの開発推進など、他にも反撃手段がある。
この判決はパナマに関する投資判断にも悪影響を及ぼし得る。最高裁は2023年に、外資系巨大銅鉱山であるコブレ・パナマの閉鎖を命じた。パナマは4カ月後に投資適格格付けを失った。
