2026年3月27日(金)

お花畑の農業論にモノ申す

2026年3月27日

コスト指標

 食料システム法に基づき作成されることになったのが、生産から販売までにかかる変動を明らかにする「コスト指標」である。生産や流通など各段階でかかる費用を積み上げたもので、費用を下回る価格での取引を抑止するための価格交渉での根拠として使われる。

 対象品目はコメ、野菜、牛乳、豆腐・納豆を予定しており、国が認定した民間団体が作り、公表する。コメの場合は、米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が作成・公表する。

 米穀機構が実施したコスト指標の検討結果では、コメの生産にかかる費用は26年3月時点で2万437円/玄米60キログラム(kg)。これに集荷や、卸、小売りでの経費や利潤を積み上げると、最終的には、3万355円/60kg(506円/kg)で、精米換算すると2811円/5kgになる。

 この水準は、かつて石破茂前首相が述べていた「コメの小売価格は3000円台でなければならない」にも応えられ、案外、生産・消費の距離は近い気がする。

 また、いくつかのコメ関係者が期待・予想する価格は、次の通りであり、大きな差もみられない。

 一方、日本農業新聞のアンケートでは、生産者が考える適正な小売価格は3000円台/5kg、消費者では2000円台/5kgと、かなりの差がある。

 現段階で農林水産省は、「生産費の算出では、公的な統計を基に、現場での実態を反映させるような修正が可能となる方式」とした。作付面積では最も多い1~3ヘクタール(ha)未満の生産費が代表値で、費用のうち労働費は他産業の水準を考慮する。

 鈴木憲和農林水産相は、「生産者の再生産・再投資が可能で、かつ消費者にも理解が得られる価格水準」を目指すとしている。政府による価格介入はしないが、参考値として示すようだ。いずれ、産地ごとの事情や経営規模との関係、利潤の確保のほか、水準いかんでは輸入米との競合をどう考慮するかが課題となって来よう。


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