どう会社を動かすか
こうした物流による付加価値や収益拡大を図るためには、CLOが物流だけではない役職を兼務すべきであるという。
「物流は1社に対するサービスではなく、取引全体が効率化させなければならない。社内においても、中の構造は複雑で、全体が嚙み合うことによって変わる。企業全体を変えなければいけないことも起こる。物流の担当が『変えよう』と言っても、他の担当役員から衝突があり、もめてそのまま終わってしまう。衝突し得る部分こそ兼任させる必要がある」と入山教授は解説する。
Hacobuが全国の特定荷主企業に勤務する101人を対象に1月下旬から2月上旬にかけて実施した調査によると、CLOを「選任済み」が30.7%、「選任予定」が45.5%であった。選任されるCLOの属性は、「従来の物流部門のトップ」が36.4%で最多で、「経営企画などの全社横断部門の役員クラス」が26.0%、「主力事業のトップ」が13.0%、「社長・副社長」が11.7%であった。
物流改革に前向きになれない経営者をどう動かせば良いのか。入山教授は「一つは社外取締役を活用する」と例示する。
「社外取締役は社長を交代させる権利もあり、意見を聞いてもらえる存在。社外取締役にしっかり説明し、取締役会の議案に上げてもらえると、状況は変わり得る」。社外取締役の存在が変わりつつある現代こその戦術と言える。
また、企業外部からのアプローチとして「地銀を巻き込む」ことも挙げる。
「地銀は地域内で様々な企業と取引をしている。そうした広く付き合いのある人から、物流問題の大切さを指摘されれば、経営層も真剣に向き合う機会になり得る」
「2024年問題」に端を発した日本の物流が抱える課題は、山積していることは間違いない。しかし、社会課題は新たな価値を生み出す機会にもなるようだ。企業がCLOの設置によってブレークスルーを起こすことを期待したい。
