大統領は首脳会談期間中にも米FOXテレビとのインタビューで、イランが屈服することを「疑っていない」と述べ、イランを過小評価していたとの指摘を否定。これまでの攻撃ではイラン国内の橋や電力インフラをあえて残してきたと語り「2日で全てを破壊できる」と警告した。
だが、一方で軟化したととれる発言も。中国からの帰国途中の大統領専用機内で、イランの核開発の停止期間は順守するなら「20年で十分」と言明した。大統領の発言はくるくる変わるので即断はできないが、これまではイランの核開発は許されないと繰り返してきており、核開発を容認したとも受け取れる。
しかし、現実は大統領にとって厳しい。イラン戦争のあおりで国内のガソリン価格は1.5倍に跳ね上がり、最新の世論調査では61%が「戦争は間違い」と答えている。
大統領はガソリン価格の値上がりは「一時的な痛み」としているが、11月の中間選挙は敗北する恐れが強い。イランを屈服させるためには「橋や発電所」を短期間で攻撃するという誘惑にかられかねない。
イランはガリバフ国会議長が「過った戦略と決定は過った結果しか生まない」と述べ「あらゆる事態に備えている」と反発した。イラン側は「今回の戦争に耐え勝った、という信念がある」(ベイルート筋)。だから譲歩の余地はなく、要求のハードルは高くなった、という。
対決強めるUAE、不可侵条約目指すサウジ
こうした中でイスラエルのネタニヤフ首脳はこのほど、イラン戦争中の3月26日にアラブ首長国連邦(UAE)を極秘訪問していたことを暴露した。UAEは否定しているが、訪問事態は事実のようだ。UAEはイスラエルと「アブラハム合意」で国交を樹立、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」を導入、イランとの対決色を一段と激化させた格好だ。
しかし、英紙などによると、アラブの盟主であるサウジアラビアはイランとの間で「不可侵条約」の締結を目指して根回しをしているとされ、ペルシャ湾岸諸国はイラン戦争の長期化に伴い、分裂傾向も強まっている。
