付加価値税が本年1月から、「国防と安全保障への拠出」を主目的として、20%から22%に引き上げられた。また、課税最低限の引き下げと社会保険料率の引き上げが実施され、中小企業に対する実質増税となった。
特に評判の悪いのが当局によるインターネット規制だ。Facebook、Instagram、X、YouTube、WhatsAppへのアクセスが禁止されたことに加え、事実上唯一のプラットフォームであったTelegramも本年4月以降、接続障害が生じている。加えてVPNプロトコルの遮断も強化されており、一般国民のメッセージ等のやりとりのみならず、金融機関の決済システムに大規模な障害が発生したほか、戦場のロシア軍の作戦にも影響が及んでいる。
合理的に動けるか
以上の現象のほとんどが、ウクライナとの戦争を続けていることに起因する。ところが4年を経過しても、プーチンは戦争を終結させることができておらず、戦況はむしろ相対的にはウクライナ側に優勢な状況が出始めている。
プーチンはこの戦争を、「ナチスドイツとの戦い」になぞらえて、「ネオナチとの戦い」と位置付けたが、4年経ってもこの戦いを終えることができていない。のみならず、130万人とも言われる死傷者を出しながらいまだにドンバス支配も完了しておらず、ウクライナによるロシア領内へのドローン攻撃はむしろ激化している。この戦争の正当性の根拠を「ネオナチとの戦い」に置いたことが、結果的にプーチンを苦しめることになっているのだ。
プーチンにもし、合理的考え方に立って判断する力がなお残っているのであれば、さらなる攻撃を命じるのではなく、戦争の終結に向けて動きだすだろう。逆に、最後まで自己保身を貫く場合は、ウクライナを超えてバルト地域などへの軍事的挑発に出るかも知れない。ただしその場合は、今度こそ「終わりの始まり」となるだろう。
