2026年6月11日(木)

「永田町政治」を考える

2026年6月11日

 窮屈な時間捻出はわかるが、タイムリーに国民に伝える必要があると判断したのは政府自身なのだから、時間のやりくりが苦しいと口にするのはどうだろう。

 そんなこととは思いたくないが、21世紀のこの時代に「時間を割いてやっている」という程度の認識だとすれば、時代錯誤というほかはない。主権者、国政の主人公である国民に対する説明責任の重要さを理解していないとわれても反論できまい。

 高市首相自身が国会で追及されたのは6月3日の参院本会議。立憲民主党の高木真理氏が、「なぜ、マスコミとの対話を避けるのか。危機を国民と共に乗り越えるなら、双方向で相互理解を深める必要があるのではないか」と見解を質した。

 首相は「SNSの重要性は高まっている。記者会見や国会での議論も重要。多様な方法をどう組み合わせてコミュニケーションを図るか、試行錯誤しながら見出したい」と答えるにとどめ、やはり議論はかみ合わなかった。

一方通行を好み、双方向を嫌う

 各メディアに記事を配信する共同通信が、ことし3月末に、自社の「首相動静」をもとに集計したところによると、25年10月の就任から26年3月末までの5カ月間に、高市首相の記者会見の回数は前任者とそん色がなかったものの、ぶら下がり取材に応じた回数となると状況は異なる。 

 高市首相は34回。過去4代の首相の同期間と比較すると、2代前の岸田文雄氏が90回にのぼり、前任の石破茂氏が57回、菅義偉氏50回、安倍晋三氏は44回だったというから、その少なさが際立つ。

 半面、木原長官が言及したXへの投稿は活発で、5カ月間で370回にのぼる。1日2回のハイペースだ。

高市首相のXアカウント、ここでは精力的に〝発信〟をしている

 一方的な情報発信には積極的だが、辛口の質問に答えなければならない双方向のやり取りは嫌う首相の対メディア対応のパターンがうかがえる。

かつては番記者が自由に取材できた

 内閣総理大臣が、緊急の政策課題、突発的な事件への対応、視察先での印象などに関して、マイク、カメラの前で応える「ぶら下がり取材」は以前から存在した。

 ぶら下がりだけでなく、官邸、国会、党本部など警備が比較的容易で、一般の迷惑にならないところでは、番記者が総理と肩を並べて歩き、自由に質問することができた。

 そういう時は、SPもお供の秘書官もいっさい介入や邪魔することなく黙認してくれた。首相と記者団のやりとりの重要さが十分に理解されていたからだろう。


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