楽天モバイルも25年9月から「Rakuten 認定中古」を通じて中古スマホの販売を開始した。「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」で返却された中古スマホを査定・クリーニングした上で販売する。デバイスビジネス部デバイス戦略課ヴァイスシニアマネージャーの佐々木愛氏は次のように話す。
「新品端末の価格が高騰する中、より多くのお客様へ高品質な端末を届け、当社の通信サービスを体験してほしいという思いから販売を開始した。A+からBグレードの高品質品に限定し、良好な外観やバッテリー残量80%以上、90日間の無償保証を付帯するなど、クオリティーを追求している」
市場全体にはどのような影響をもたらすのか。中古市場に詳しい慶應義塾大学商学部教授の山本晶氏は次のように話す。
「中古品は一般的に新品より安いため、物価の下押し因子となり得る。また、メーカーの終売品も買えるようになるため、選択肢が増えるというメリットがある。一方で、これまで買い手専門だった消費者が売り手にもなるため、売ることを意識してより高い買い物をするなど、新品の購買の後押しにもつながる。まだまだ伸びしろがあるのが中古市場だ」
中古スマホの流通チャネル
情報漏洩リスクはないのか?
中古スマホの流通事情を深掘りするべく、中間業者にも取材した。Belong(東京都港区)は伊藤忠商事の社内ベンチャーとして19年に設立された中古スマホ・タブレットの買取販売業者だ。自社で端末の検査やデータ消去を一括して行う。卸売業者・メーカー・小売業者など、仕入・販売の両方で様々なチャネルが想定されるが、Belongは中古スマホの商社として「全て」のチャネルで事業を展開しているという。代表取締役社長の西村耕一郎氏は、設立趣旨をこう語る。
「米国では中古スマホ市場が活発化しており、日本も同様に市場が伸びると予想されたため設立した。市場の拡大は、個人間取引が増えたことや、消費者の間で中古品への抵抗感が薄れていることも背景にある。販売サイト『にこスマ』は、各端末のバッテリー容量や外装の詳細を一つひとつ開示するなど、消費者の不安を取り除いているのが特徴だ」
しかし、スマホに保存されている個人情報などの漏洩リスクはないのか。取材を通じて判明したのは、各社が主にBlancco社のデータ消去ソフトウエアを使用していることだった。同社は1997年にフィンランドで設立し、後にスマホ用のソフトウエアを開発。日本国内では2010年に中古情報機器等のオークション事業等を展開するオークネットとの共同出資でブランコ・ジャパンを設立した。代表取締役社長の三松基氏は、データを消去する仕組みについてこのように語る。
「データ消去ソフトウエアを導入したPCと対象のスマホをつなぐと、端末を出荷前の状況に戻すことが可能だ。原理的にデータを消去する仕組みで、消去後にデータの破片が残ることはなく、復元も不可能だ」
日本では早くから拠点を構えていたこともあり、同ソリューションで、自社調べでは国内シェア7~8割を獲得した。
