2026年6月25日(木)

Wedge REPORT

2026年6月25日

 中古スマートフォンの国内市場が拡大している。ICТの市場調査コンサルティングを手がけるMM総研によると、中古スマホの販売台数は2020年度の185万台から24年度には321万台となった。

街中で中古スマホが陳列される景色も珍しくなくなった(AFLO)

 24年度の新品スマホ出荷台数は約3004万台であり、中古スマホの販売台数はその1割の数にも及び、25年度は350万台を超える見込みだ。こうした背景について、MM総研代表取締役兼CEOの横田英明氏は次のように話す。

 「新品スマホの価格高騰が主な要因だ。約10万円だったiPhoneの価格は上昇し、15万、20万円を超える。以前は大手キャリアが集客の一環で『0円スマホ』を販売していたが、総務省が割引規制を導入したことが大きい」

 スマホの割引規制は、携帯電話市場の健全な競争を促すために19年に導入され、23年12月27日以降は、いわゆる白ロム割も禁止された。

 総務省料金サービス課で課長補佐を務める笹川裕加氏はこう話す。

 「大手キャリアによる以前のスマホの大幅割引は、消費者から見るとスマホ代が低く抑えられるが、通信料収入を原資として大幅割引をしていた。また、小規模な携帯電話事業者は、資金力のある大手キャリアと同様の販売や割引ができず、さらに大手キャリアによる消費者の囲い込みもあり、携帯電話市場の競争が進んでいなかった。この状況を打開すべく割引規制をはじめとするルールを導入している。最近は、購入から一定期間後にスマホを返却するスマホ販売も増えている」

 現在、中古スマホは店頭やECサイトなど、様々なルートで販売されている。「ゲオ」や「2nd STREET」などを運営するゲオホールディングスは「ゲオモバイル」を展開し、800店舗以上で中古スマホを取り扱う。モバイルネットワーク商品部ゼネラルマネジャーの藤巻亮氏は、流通経路についてこう話す。

 「一部を卸売業者から仕入れることもあるが、基本的にはゲオモバイルで買い取った中古スマホを再販している。買取に関しては、2~3年前の製品を持ってくる方が多い。販売は新品市場と同じくiPhoneが6割でAndroidが4割。2万~3万円台のiPhoneSE(第2世代)と5万円前後のiPhone12が現在の売れ筋だ」

 5~6年前に発売されたiPhoneが人気のようだ。相場は発売価格の概ね6割程度。当初はガジェット好きの30~40代男性や外国人が多かったが、現在では女性や20代など、幅広い層が購入するという。

 大手キャリアでは、NTTドコモが22年3月から認定リユース品の販売サービス「docomo Certified」を展開する。約30機種を販売し、iPhone13、14などが売れ筋だ。

 こうした動きは大手のキャリアはどう見ているのか。NTTドコモ広報担当者は、中古スマホ市場の進出について「廉価志向・エシカル志向など顧客ニーズの多様化や円安・部材費高騰による新品価格の値上がりに伴い、中古スマホ需要が伸びていることを背景に、環境の変化に対応するため」と回答した。


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