リスクを余りにもとらない日本企業の対応が良いとは言わないが、少しでも外国からの投資を増やしたいと思えば、自分のスタンダード受入を要求するだけでなく、外国から投資しやすくなる環境を作ることが重要である。インドは、なぜそう考えないのだろうか。
インドも直面する少子化
6月4日付Economist社説は、人口動向の面から、インドに残された時間は多くない、と言っている。それによれば、インドの合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に生む子供の平均人数を示す指標)の最新数値は1.9で、人口維持に必要な2.1を下回っている。タミールナドゥー、西ベンガルの両州の合計特殊出生率はフィンランドと同様の1.3であり、ムンバイの位置するマハラシュトラ州では、ノルウェーと同様の1.4だという。
もちろん、これが実際の人口に反映されるにはもう少し時間がかかる。国連統計は、インドの人口は40年にピークの16億人となり、その後減少に転じて今世紀末には10億人を切ると予測している。新生児誕生数は、01年がピークであり、現在そこから既に20%減少し、各地では小学校の閉鎖が多発しているらしい。
まさに、Economistの社説が指摘しているように、これは「世界に対する警告」、換言すれば、世界的な傾向なのだ。Economistは、その背景として、女性の教育機会と就労の拡大を挙げている。教育により「産めよ増やせよ」が当然の価値観ではなくなり、就労機会の拡大とも相まって、ますます新生児の数を減らす。
さらに、インドでは、良い職に就くための「競争の激化」がその傾向に拍車をかける。すなわち、子供が少ない方が一人の子供に対する教育投資が増えるからだ。
女性の就労→生産力拡大→税金を通じた社会還元の循環が無ければ、世界経済は今後拡大を止める、とEconomistは指摘している。人類はピークを超えたということなのだろうか?
