2026年7月1日(水)

プーチンのロシア

2026年7月1日

 ロシアの独立系ビジネス・経済メディアであるTHE BELLは、ウクライナによるロシア製油所への攻撃激化により、53もの地域で自家用車の給油に何らかの制限が課せられていると指摘した。特に給油制限が厳しい地域(1回50リットル〈ℓ〉未満または満タン不可)が18、給油制限はあるが比較的緩い地域(1回50ℓ以上または満タン可)が29であり、加えてウクライナからの占領地は6地域すべてが厳しい制限下にあるという。

 そして、6月17日にはついに、ロシアがガソリンの輸入を始めようとしているというニュースが報じられた。アジアから、海路で輸入する方針と伝えられている。さらに6月21日には、ロシアの実効支配下にあるクリミアで、一般向けの燃料販売が全面的に停止されるという衝撃的なニュースが流れた。

象徴や威信を破壊する攻撃

 上述のとおり、ロシアはウクライナの心を、ウクライナはロシアの経済を殴るというのが、両国のドローン戦争で基本構図になっている。それに加えて、敵の象徴や威信を傷付けることで、心理的・政治的効果を狙おうとしたと考えられる攻撃も目立ってきている。

 ウクライナは6月3日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルグの石油ターミナルと、近郊の海軍基地に置かれていた艦艇をドローンで攻撃した。この日は、ロシア経済にとり年に一度の最重要イベントであるサンクトペテルブルグ国際経済フォーラムの開幕日であり、その晴れ舞台の上空を石油ターミナルから立ち上る黒煙が覆うこととなった。このペテルブルグ攻撃には、プーチン肝煎りのイベントに泥を塗るという意図が感じられた。

 ロシアは6月15日、それに対する報復と考えられる大規模攻撃を仕掛ける。ロシア軍がウクライナの首都キーウに対する大規模な空爆を実施し、ユネスコの世界文化遺産にも登録されるペチェールシク大修道院で火災が発生した。

 ゼレンスキー大統領はXへの投稿で、「ペチェールシク大修道院への攻撃により、生神女就寝大聖堂が炎上した。11世紀にまでさかのぼる歴史を持つ聖堂だ。キリスト教文化に対するロシアによる最も深刻な犯罪の一つだ」と非難した。

ゼレンスキー大統領のXより 写真を拡大

 プーチン氏は熱心なロシア正教の信奉者であり、彼が主張して譲らないロシア人とウクライナ人の民族的一体性においても、正教という紐帯が重視されている。そんな彼が、正教の聖地であるペチェールシク大修道院を攻撃するというのは、矛盾しているように思える。ただ、この修道院が辿ってきた経緯を振り返ると、違った意味合いも見えてくる。


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