2026年8月22日(土)

田部康喜のTV読本

2026年8月22日

 電話は、充からだった。受話器を握る咲子(蒼井優)を正面からカメラはとらえて、長まわしつまりカメラを止めない圧巻のシーンである。

 事故の直後に喫茶店の電話をたまたま咲子がとって、「ごめんね」と一言だけ充の声を聴いた。咲子は次に電話があった時には、自分のどこに非があったのか、夫婦に戻るにはどうしたらよいのか、聴くつもりだった。しかし、そんな気持ちは吹き飛んで、園田に寄り添う言葉が口をついて出るのだった。

 「なんで(園田の妻)あずささんを連れて行ったの? 知っていると思うけど、事故があって死んじゃったんだよ。答えがでなくて苦しんでいる人がいるんだよ。(園田と)わたしたちと内緒でどこにいこうとしてたの? 園田さんのこと、6歳の子ども、来年小学校。大切なお子さんを残して、なんで(あずさと)一緒だったの?」

 「もういい。わかった。結婚する時に約束したんだよね。お互いに言いたくないことは言わないでもいいって決めたもんね」

 「さっちゃん」と、充。「元気そうでよかった。元気でいてね」と続ける。

 「うん、充も元気でね」

 咲子は、これで踏ん切りがついて、園田からの提案を受け入れようと考えた。

 翔が「お泊り保育」の日に、園田が自宅のマンションに咲子を食事に招いたときのことだ。園田は住んでいるマンションの更新時期が迫っていた。咲子は自宅である。

 「引くほど図々しいこと聞きますね。引いてもらって大丈夫です」

 「引くこと確定なんですか?」

 「僕と翔が咲子さんのお宅に引っ越すのはありですか」

 驚いた咲子は、粉チーズをテーブルいっぱいに振りまいてしったのだった。

 男女関係というのではなく、友達に近い形で同居を決意した咲子は、夫の充の服などを整理するのを園田とともに進める。チャイムがなって、ドアを開けるとそこには、充が立っていた。

 「ただいま」と。目を見開いた咲子は「おかえり」と返した。

読めない展開と、心にしみるセリフ

 『告白-25年目の秘密-』(日テレ、毎週土曜よる9時)は、渡邊真子(1986年生まれ)によるやはりサスペンスである。アイドルグループSixTONESのメンバーで俳優の北村北斗と、モデル出身の岡崎紗絵を主役に配している。

 雪村爽太(北村)は小学校時代から近所に住む、野瀬麻里子(岡崎)にあこがれをいたきながらも、その気持ちを伝えられないまま、中学、高校と麻里子と同じ学校に進学。大学は1浪したものの、麻里子と同じ学部に進学を果たす。さらには、麻里子の父・銀次郎(石黒賢)が経営する化粧品会社に入社する。

 麻里子は、爽太に対する認識はまったくない。会社でも、爽太が経理のシステムや総務部門に所属していたのに対して、麻里子は商品企画部門の部長の地位にある。ふとしたきっかけから、爽太の才能に気づいた麻里子は、彼を自分の部署に異動させる。

 ふたりの関係からドラマの伏線になっているのは、小学校時代に爽太が虐められていた時に、麻里子が、いじめっ子たちのひとりに強烈なパンチを浴びせたことだった。さらに、麻里子が誘拐犯の畑野悟(田中要次)に誘拐されかかったとき、爽太が声をあげて周囲の住宅に住んでいる人の助けを求めて、この誘拐が未遂に終わったことである。

 犯人の畑野は、連続誘拐犯であり、この件とは別の事件で立件されて、25年の刑期を終えて出所する。


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