翌16日に大統領はヘリに乗る直前に記者団の質問に答えて、ザカリアは、「メディアからひどい扱いを受けた」と同情しつつ、報道官という仕事について自分の適性について考えるように告げた、と明かした。事実上の更迭であった。
すでに〝人材〟はいないのか?
自分自身を最強の広報担当者と考えるトランプは、広報官の更迭やその後のポストの空席をものともせず、全米を飛び回って選挙活動を行っている。中間選挙直前の重要なこの時期、広報官のポストが空席のままでも気にならないようである。
トランプは、敵対者の発言をフェイクと批判して、フェイクとリアルの境界線を曖昧にしてきた。空席ポストの後任を選ぶ時、トランプは人物の中身でなく、テレビなどを見て決めている、と言う関係者もある。そのため登用されるのは、トランプ好みの外見の人ばかりで、十分にその中身は精査されないことになる。
また、選考過程で経歴よりも何よりも重視されるのは、過去においてトランプの悪口を言っていないかであるとされる。適任の候補者を見つけ出すのが難しくなるのは仕方ないだろう。
そのような中、ついに経歴すらフェイクな人物が登場したということなのだろうか。ここまで手駒がないと見ることもでき、末期症状であると言えるかもしれない。
第2期トランプ政権の初代広報官として20歳代のキャロライン・レビットが登場した時、記者たちは、若すぎて経験不足であるとか、記者に対して敵対的であるとか言って容赦なく批判した。ところがザカリアの登場によって、今やそのレビットを懐かしむ声がリベラル系のメディアも含めて急速に強まっている。
想像を超えて進んで行くトランプ政権は、これからも人々の想像を超えた展開を繰り出すだろう。いくらでも状況は今よりも悪く成り得るのである。
しかも、これから2期目の後半へと向かっていっている。現実の斜め上を行く次なる展開を注視したい。
