2026年10月27日(火)

Wedge OPINION

2026年10月27日

「安全」と考えられた場所に戦争が

 「『20−50』とは、ウクライナのロシアに向き合う最前線から20~50キロの射程圏を指します。これまで安全とされていた場所の日常に、突如ドローンが飛んできて爆発・炎上します。しかし、そこからわずか1キロほど離れたレストランでは、何も知らずに食事を楽しむ人々で賑わっているのです。

 ある日の夜中の3時のこと。突然の爆発音で目が覚めて、外に出て暗闇の黒海に目を凝らすと、飛来するロシア軍のドローンと迎撃するウクライナ軍、彼方の海岸線では、ダーチャと呼ばれる別荘が炎上していました。

ロシア軍のドローンを兵士たちが迎撃した瞬間

 夜が明けると、まだ遠くにうっすらと煙が立ち上がる中、その海岸付近には何事もなかったように、多くの海水浴客が訪れているのです。一日のあいだに、目の前で何度も切り替わる光景の混沌に、これが戦時下の国なのかと思うことが多々ありました」

兄妹たちと1歳半の娘アマヤを連れて海水浴に来たジャスミナ。夫のディマは無許可離隊中のため家に残った

 これまでは、最前線から20キロの地点までが兵器の射程、いわゆる「キルゾーン」とされてきた。だが、ドローン技術の急速な進歩などにより、その距離は50キロ地点にまで拡大している。つまり「20−50」とは、これまで「安全」と考えられていた場所に戦争が入り込み始めた現実、戦禍の拡大を意味している。

 佐々木氏は「ウクライナのドローン技術は日進月歩であり、ロシアが新たなドローンで攻撃してきたら、ウクライナはさらにそれを上回る性能のものをつくり、反撃します。1週間ごとに戦場の戦い方が変わると言っても過言ではありません」と話した。


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