欧州委員会では最新技術を活用し、従来の「FLAP-D」に加え、イタリアやスペイン、ポルトガル、フィンランド、ポーランドなどを対象に、総額300億ユーロ(約5兆4000億円)に上るデータセンター建設基金を設立し、「AIギガファクトリー」の建設を推進しようとしている。
情報公開イベントのパネル討論に登壇した米アクセンチュアのジェファーソン・ワング最高戦略責任者(CSO)は、NTTと台湾の中華電信が約3000キロメートル離れた東京と台北市との間をAPNで結び、遅延なくデータを分散処理している例を挙げ、「ソブリンAIを構築するにはGPUの計算基盤とデータストレージをそれぞれ別の場所に配置する『デカップリング』が重要なカギを握る」と強調した。
IOWNでモビリティ分野のデジタルツイン構築へ
一方、超高速大容量、超低消費電力、超低遅延のIOWNは、モビリティ分野におけるデジタルツインの構築や、マイニング(鉱業)、建設、農業など現場でのフィジカルAIの実現にも一役買おうとしている。
「IOWN Global Forumとの提携により、モバイル・デジタルツインの『Edge Twin(エッジツイン)』の実現が近づいた」。今回の会議では5G(第5世代通信システム)を自動車分野に活用しようとしている国際組織「5GAA(5Gオートモーティブ・アソシエーション)」のマキシム・フラメント最高技術責任者(CTO)が登壇し、モビリティ分野における新しいデジタルツインの構築構想を発表した。
「Edge Twin」とはデジタル空間上に街並みや自動車などを再現し、自動運転や交通事故の予防などを促そうというもので、5GAAとコネクティドカーの国際推進組織「AECC(オートモーティブ・エッジ・コンピューティング・コンソーシアム)」が共同で24年に打ち出したデジタルツイン構想だ。さらに今回、IOWN Global Forumが参画し、三者で構想を推進する合意がなされたと発表した。
5GAAは16年に独自動車大手のアウディ、BMW、メルセデス・ベンツ、通信機器大手のエリクソンやノキア、華為技術(ファーウェイ)、米半導体大手のインテルやクアルコムの8社で設立され、現在はトヨタ自動車など世界110社以上が参加している。もう一方のAECCは18年に設立され、トヨタの大西亮吉氏が代表を務めている。
大西氏はオンラインで会議に参加し、「30年には世界で6億台の自動車がネットでつながる。その大量のデータを処理するにはIOWNを使った分散型のコンピューティングシステムの構築が重要になる」と訴えた。
