AI規制を米中競争の観点からも考える必要がある。AIは21世紀を支配する「commanding technology」になるだろう。
米国にとって、AI競争で勝つことは極めて重要である。真の勝者は、世界がその国のAIを信頼し、その国のAIに各国のデータ、インフラ、企業活動、さらには軍事システムまで委ねるようになることである。
米国は人間を中心に置き、最終的に人間が制御できるAIを作るべきだ。これは単なる安全論ではなく、米国の国際競争力に関する戦略論である。
米国の技術力に、法の支配、人権、透明性などの米国的価値を組み合わせれば、それ自体が中国に対する競争力になり得る。AIは金融や原子力以上に広範な社会的影響を持ち得る。
だからこそ、政府が安全性を確認する仕組みを持つ必要がある。それは、安全性と信頼性を制度的に確保することで、米国AIへの世界の信頼を高め、その市場を拡大することができる。
米国が目指すべきは「最も強力で、最も安全で、世界から最も信頼される AI」である。AI時代における米国の競争力を守るためにも、政府による適切な安全規制を急ぐべきだ。
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日本は政策を急ぐべき
この論考の核心は、「AI規制をイノベーションの敵と捉えるのではなく、安全性・信頼性を競争力に転換する新しい発想が求められている」という点にある。しかし日本としては、それだけではなく、国家の安全保障政策の中に位置づける政策を急ぐべきである。
第一に、AIは経済政策だけではなく、国家安全保障政策である。AIは金融、電力、通信、物流、医療、防衛、行政など社会の基幹システムに入り込むため、その誤作動や悪用は単なる企業リスクではなく、国家危機につながり得る。政府はAIを「成長産業」として支援するだけでなく、重要インフラへのAI導入について安全保障上のリスク評価をきちんと行う必要がある。
