オバマと類似するタラリコの選挙戦略
もう一つの注目州ミシガンでは、民主党上院議員候補でイスラム系のアブドゥル・エルサイード氏と共和党の元連邦下院議員マイク・ロジャーズ氏が接戦を展開している。筆者がテキサス州と同様、9月にデトロイトの民主党フィールドオフィスを訪れたときは、運動員は戸別訪問を通じてターゲットとなっている有権者の関心事を聞き出していた。10月になると、上で紹介した二つの質問をして、ミシガン州でも票数を読んでいるという印象を持った。
テキサス州は大統領選挙の選挙人が40(2024年)で、全米で西部カリフォルニア州に次いで2番目に多い。2024年米大統領選挙でドナルド・トランプ米大統領は、カマラ・ハリス元副大統領に約14ポイント差をつけて大勝した。そのテキサスでタラリコが勝利すれば、2028年米大統領選挙で、同州が「青(民主党のカラー)」なる可能性がみえてくる。
タラリコは、残りの選挙戦において有権者の目を物価高に釘付けにしながら、これまで同陣営が焦点を当ててきた、選挙に行ったり、行かなかったりする「気まぐれな無党派層」と若者の票獲得に時間をより多く使うだろう。
ニューヨーク・タイムズとシエラ大学が10月21日(現地時間)に発表した全国共同世論調査では、「民主党支持」と「民主党支持に傾いている」18~29歳の若者は70%であった。前回の米大統領選挙が行われた2024年の同調査と比較とすると、15ポイントも上がっている。トランプは確実に若者票を失っている。
2008年と12年の米大統領選挙では、若者のパワーがオバマ大統領誕生とオバマ再選の原動力になった。12年の選挙では、オバマ陣営は「気まぐれな無党派層」と若者の票の上積みに力を入れた。タラリコを支援しているテキサス民主党の選挙戦略は、当時のオバマ陣営と類似している。このタラリコの戦略が再び「吉」と出るのか。
ただし、若者は投票に出向かない傾向がある。オバマ陣営は当時、期日前投票を彼らに強く勧めていた。
投票日まで残すところ5日で、オクトーバーサプライズ(選挙戦の結果を大きく左右するような予想外の出来事)が待っているのか。それともドイツ自動車メーカーアウディの南部ジョージア州における投資を関税政策の成果とするような小さな成功を有権者に大きくアピールしていくのか。
いずれにせよ、民主党の勢いが増し続けており、接戦州が増えているのは、現時点における事実である。
