2026年11月7日(土)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2026年11月7日

 国防部は22年にも、飲料水の不適合を国会議員に指摘され、自治体との協力を強めて上水道を広げると約束していた。この時、前年の検査で2回以上不適合とされた31カ所には、第15師団の3カ所が含まれていた。

いまだ撲滅できない軍人を装う詐欺事件

 韓国軍の司法警察機関である国防部調査本部は10月28日、軍人を装う「ノーショー詐欺」への対策の成果を発表した。25年5月以降、相談窓口の「国防ヘルプコール」(1303番)で2633件の相談に応じ、2055件、164億ウォンの被害を未然に防いだ。警察の捜査で国内外の関与者55人も検挙した。

 ノーショーとは、予約の無断キャンセルを指す。犯人は軍幹部や自治体職員を名乗り、部隊行事用の団体食事や物品を注文して姿を消すか、特定業者からの代理購入を持ちかけて代金をだまし取る。陸軍第36師団の大尉を名乗り、ノート250冊と消しゴム100個の見積もりを求めた例も報じられた。

 本連載「韓国軍機関紙『国防日報』で追う」は25年8月の『韓国で64年ぶりとなる文民国防部長官に向けられた疑惑、オレオレ詐欺ならぬ「軍人詐欺」も課題に』でこの詐欺を取り上げ、軍が同年5月に開いた24時間の軍人真偽確認窓口を紹介した。名前や階級を伝えると本物の軍人か確かめられる仕組みで、当時の阻止額は開設3カ月で約42億ウォンだった。今年1月の発表では、開設8カ月で116億5000万ウォンに増えていた。

 今回の新しさは、防ぐだけでなく捕まえた点にある。江原警察庁は今年1月から、窓口に寄せられた犯行番号を即時に受け取って通信会社に遮断を要請し、同時に捜査に入る体制を構築した。遮断した番号は119件に上る。

 国家情報院と協力して海外のアジトを特定し、現地の捜査協力を通じて総責任者ら9人が中国で逮捕された。海外にいる管理職級の1人については、インターポールで国際手配中だ。

 しかし、効果の見方には注意が必要だ。開設8カ月で1583件だった阻止件数は、その後の10カ月で472件しか増えていない。月平均では約4分の1に落ち込む。抑止が効いたのか、手口が変わったのか、国防日報の記事に説明はない。

Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る