World Energy Watch

2014年9月16日

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グローバル化の波に乗れなかった日本

 では、なぜGDPを引き下げる産業構造の変化が起きたのだろうか。経済が発展するに連れ、第二次産業が減り、サービス業が増えるから、日本では当然製造業からサービス業への変化が起こるのだろうか。そうだとすれば、経済が復活するためには非製造業の生産性の向上策が必要になるが、問題はそう簡単ではない。

 図は、世界の輸出額に占める日本の財の輸出額のシェアを示している。小泉政権時代日本は輸出が好調で経済が持ち直したことがあった。その2000年代前半でも日本の輸出のシェアは低下している。日本の輸出の伸び以上に世界の輸出は伸びていたのだ。エネルギー価格上昇の影響を取り除くために、先進国のなかでの日本のシェアも図には示しているが、やはり波を描きながら低下している。

 日本がデフレに陥って以降、グローバル化は大きく進んだが、日本は波には乗れなかったことを図は示している。この間、米国、ドイツの製造業の付加価値額は伸びている。製造業が伸びていない英国では、金融と通信部門の付加価値額が飛躍的に増加し、経済も成長した。そんななかで、日本の製造業が付加価値額を伸ばせず、輸出も相対的に減少した理由の一つは、デフレ経済下で製造業がキャッシュフローを返済に回し、研究開発費を削減したため、他国との技術競争に敗れたためではないだろうか。

21世紀のジェボンズになってはいけない

 エネルギー・環境技術に関する経済産業省系補助金の審査委員を務めているので企業からの申請書を見る機会があるが、日本企業の技術が、汎用品では韓国、中国の追い上げを受け、高度な分野では欧米に遅れてきているのではないかと不安を覚えている。もちろん、エネルギー・環境の狭い分野での話だが、日本の製造業の相対的な落ち込みをみると、他の分野でも同様のことが起こっているのではないだろうか。エネルギー・環境分野では、次のようなことがある。

 数カ月前に、日本企業が石炭ガス化複合発電設備(IGCC)と二酸化炭素補足貯留設備(CCS)を、世界で初めて米国で建設すると発表した。しかし、IGCCとCCSの組み合わせは、既に2010年から米国で工事が開始されており、来年運転開始予定だ。CCSでは英国の事業に欧州委員会が3000万ユーロの支援を決めた。世界初どころか欧米の後を日本が追いかけている。

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