長い歴史の中で伝えられてきた日本の文化財の中でも、特別な価値を持つ「国宝」。現在国宝に指定された美術工芸品は日本全国に約870件あるが、そのうち約120件が一堂に会する展覧会が東京国立博物館で開催されている。
東京国立博物館での国宝展の開催は3回目で、今回は「祈り」がテーマ。会場は、「仏を信じる」「多様化する信仰と美」「仏のすがた」など5つの章で構成され、信仰に基づく絵画や工芸、彫刻など、縄文時代から江戸時代までの逸品が並ぶ。
京都・三千院蔵
文化庁=写真提供
美しい装飾で知られる法隆寺の玉虫厨子(たまむしのずし)や、「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」と刻まれた金印など、教科書にも載っている著名な品々をはじめ、元興寺(がんごうじ)極楽坊五重小塔、三千院の観音菩薩坐像と勢至菩薩坐像(せいしぼさつざぞう)、興福寺の多聞天立像(たもんてんりゅうぞう)、安倍文殊院の善財童子立像(ぜんざいどうじりゅうぞう)など、日本の歴史や文化を象徴する貴重な文化財を展観できる。
また、期間限定で特別公開される、「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」を含む11件の正倉院宝物や、今年国宝に指定されたばかりの「仮面の女神」(長野県・中ッ原遺跡出土)など5体の土偶も必見だろう。文字通り「国の宝」である美術工芸品とのまたとない出会いのひとときを楽しめる。
日本国宝展
<期間>10月15日~12月7日 *会期中、展示替えあり
<会場>東京都台東区・東京国立博物館(山手線上野駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://kokuhou2014.jp/
*情報は2014年9月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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