8月の終わり、長崎大学水産学部の一室で、村田さんたち修了者の発表会が行われた。村田さんは南有馬の海で近年大発生しているアナアオサという海藻の再利用法を取り上げた。アナアオサは漁網に絡まる厄介モノで、海岸に打ち上げられたアナアオサの清掃処分が漁協や自治体の重荷になっていた。
村田さんが発表に使用したパネル
ワカメに代わるひょっつるの原料にならないか実験を繰り返したほか、アナアオサの繊維を固めて段ボール紙状にし、加工用の素材も作ってみた。
「味わいがあるので、芸術家がランプシェードか何かに使ってくれないか」
「自然の素材なので、園芸用ポットにはなるだろう」
発表会で村田さんを取り囲んだ教授や学生、水産加工業者などから、次々に声が上がった。「こうやって話している間に、新しい製品が生まれたら面白い」と村田さんは笑う。