世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年6月16日

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 この中ロ関係には大きな不確実性がある。理由は、ロシアは一人の人間の支配下にあり、中国もますますそうなっているからである。こういう権力集中は指導者が変わると多くの事が変わることにつながる。中ロ関係は予測不可能な関係である、と論じています。

出典:Julian Snelder,‘Russia and China: A Great Power Partnership America Should Fear?’(National Interest, May 15, 2015)
http://www.nationalinterest.org/blog/the-buzz/russia-china-great-power-partnership-america-should-fear-12896

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 この論説は中ロ関係の今後について接近、離反をもたらす要因を紹介したうえで、双方ともに独裁国家だから、指導者の交代で関係が大きく変わりうる、その意味で予測不可能である、と指摘しています。それはその通りでしょう。ただ、時間軸を長くとると、あらゆることは予測不可能になります。どういう時間軸で考えるかを明確にしないと、政策決定にはあまり役に立ちません。

 まずは、中ロ関係の現状をよく把握することが大切であると考えます。

 言うまでもなく、プーチンが今のロシアの指導者です。彼が指導者でいる限り、ロシアには欧米との対抗上、対中接近の動機があります。中国も南シナ海、東シナ海などでの海洋進出で米国と対抗関係にあり、対ロ接近に動機があります。したがって、現状では中ロ関係は疎遠化よりも緊密化の可能性がずっと大きいと言えます。それを踏まえて、対中、対ロ政策を考えるということになります。日本の出方で中ロ接近を阻止できるなどという考えは幻想に近いと言うべきでしょう。日本にはそこまでの力はありません。

 プーチン後については、ロシアの指導者に欧米協調論者が出てくる可能性があるように思われますが、これは今後の発展如何によります。それこそ予測不可能です。

 この論説からの教訓は、言うは易く行うのは至難ですが、中ロ接近を過大にも過小にも評価せず適正に評価すること、中ロ関係の推移に十分な注意を払い、その極東情勢への影響をよく考えることでしょう。極東情勢は中ロ関係の進展度合いに影響を受けますが、結局、日本としては、そういうことに備えるためにも、日米同盟をしっかりさせておくことが当然ながら肝要です。

  
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