これまでリノベーション物件を購入する層は、「一次取得者」と業界で呼ばれる30代が中心であったが、最近では億ションを購入するような富裕層にまで広がっている。興味深いのは、2000年代に訪れたタワーマンションブームに乗じてタワーマンションに移り住んだ層が、「狭い、立地が不便、子育て環境に不向き、といった理由などで、リノベ物件に移っている」(業界関係者)という動きだ。
リノベーションの一例(横田建築研究所提供)
彼らは麻布や広尾、代官山といった人気エリアにある邸宅マンションのリノベ物件を好むという。バブル期に建てられた邸宅マンションには、100㎡を超えるものもあり、タワーマンションにはない広さをもつ。
大手不動産デベロッパーを含む、リノベ業者が中心となって運営しているリノベーション住宅推進協議会の会員数は、10年度の333から今年6月には554へと増え、同協議会が認定した適合リノベーション住宅も10年度の4649件から、今年6月には2万件を超えるレベルにまで広がっている。