世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年7月13日

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 豪州は米国や地域の関係国と緊密に連絡しており、米国の哨戒機P-8の飛行についても事前に通報を受けていた。フィリピンおよびベトナムの艦船も中国が造成した人工島の12カイリ内を航行している。日本やインドも同様の行動をとることがあり得よう。米国も更なる飛行や航行を行うことはほぼ確実である、と報告しています。

出典:Greg Sheridan,‘Flight exercises to test China waters’(Australian, June 4, 2015)
http://www.heraldsun.com.au/business/breaking-news/flight-exercises-to-test-china-waters/story-fnn9c0hb-1227383280276?from=herald%20sun_rss

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 これは、興味深い記事です。豪州が南シナ海の問題に真剣に対応しようとしているのは、大変心強いことです。「飛行の自由」「航行の自由」を守るという意思の表示および一方的な領有権の主張の既成事実化は認めないという意思の表示のため、検討中の飛行と航行が実行されることが期待されます。記事が言う、フィリピンやベトナムへの寄港の途次にかすめ通るように人工島の12カイリ内を通過するというアイディアは、よく考えられたものと思います。

 南シナ海でどうやって意思表示の行動をするか、それに伴い、どういうリスクがあるか、といった問題については、日米豪の枠組みでも検討したらいいのではないかと思います。

 この記事がいうように日本にも同様の行動をとる用意があるとすれば、例えば、海上保安庁の巡視船がマニラ港に向けて航行の途次、どこかの人工島の12カイリ内をかすめるようにして通るということなどでしょう。問題は、それに対する中国の反応が大変厳しいものになるであろうということです。中国側が報復として、例えば、尖閣諸島に海警の船舶や漁船が大挙押しかける位のことはあると、覚悟してかかる必要があるのではないかと思います。

 いずれにせよ、「飛行の自由」「航行の自由」を守り、一方的に現状を変更するような行動は認めないという意思を表示するための行動に、一国でも多くがコミットしていくことが重要です。

  
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