7月にウファでBRICSとSCOサミット
そんな中で開催されたのが、ロシアのウファにおける両サミットだ。ウファは、ロシア連邦中央部に位置するバシコルトスタン共和国の首都であり、ロシアにおけるムスリムの主要都市でもある。
両会議は、第二次世界大戦後の世界の経済体制であったブレトン=ウッズ体制とドル基軸体制に実質的な最後のとどめを刺したとも言われる。上述のように、BRICSとSCOの首脳会談は、続けて7月8日から10日まで開催されていたが、ブレトン=ウッズ会議は1944年に7月1日から22日までの3週間にわたって開催されており、ちょうど71年前に構築された体制の限界を露呈した形だ。
ブレトン=ウッズ体制は、国際貿易の自由化と経済成長、雇用促進を目的として創設されたIMF、世界銀行、GATT(WTOの前身)を軸とする国際経済体制であり、固定為替相場制を基礎とするIMF中心の国際通貨体制を指すことも多い。実際には、1971年8月にニクソン米大統領がドルの金交換性を停止し(ニクソン・ショック)、1973年には完全に変動相場制に移行したことから、ブレトン=ウッズ体制は完全に崩壊したと見る向きがある一方、依然として米ドルが世界の貿易の基軸通貨となっていることやIMF、世銀、WTOが世界経済の基軸となっていることから、ブレトン=ウッズ体制は実質的には残存しているという見方もあった。
だが、後者の見方も近年では根拠が揺らいできていた。なぜなら、ドルが貿易の基軸通貨だとはいっても、それに反発する国が増え、実質的にドルを使わないで取引をする国も増えてきているからだ。(参考:『グローバル貿易で米ドルを拒否』(2015年5月5日 スプートニク.jp))