2024年4月26日(金)

ASEANスタートアップ最前線

2015年12月8日

イマドキ大学生がタイから見る「日本」

宮崎「この記事を読んでくれる方って、日本にいるビジネスリーダーの方が多いんです。是非、タイから見える日本について意見言っちゃってください(笑)」

若目田「タイの人って、めちゃめちゃ転職するんですよ。自分の好きなことを始めたり、スキルアップしたり。石の上にも三年、みたいな発想って無いんです。イケダハヤトさんの言葉を借りると、日本人って「消耗してる」。電車に乗ってる人の表情、全然違いますよ。こっちも満員電車ですけど、皆表情が明るい。日本も、転職というか、自分の好きなことをもっと自由に追求できるようになったら、電車でのみなさんの表情も明るくなるかな」

斎藤「タイでも韓国でも、就職で大学の成績がスゴイ評価されるんです。だから、ものすごくまじめに勉強するんですよ。韓国では相対評価が当たり前だし。日本って、あまりGPAとか就職活動では見られないですよね。大学の授業も厳しくないし絶対評価の授業も多いし。日本の大学生の勉強時間の少なさは、日本独自の就活方式に起因していると考えています。もっと勉強するように大学生をモチベートするようなシステムになれば良いのにと思ったりもします」

永瀬「私からは少し違った意見を(笑)。端的に、日本人で良かった、って思う瞬間が多いです。現在の留学先で、国際的にインターンを斡旋するAIESECのお手伝いもしているんです。現地の大学生が応募する約半分が、第一志望に日本って書くんです。文化が、技術が、全てが素晴らしいって。英語が得意ではなく、受け身になりがちな私でも温かく迎えてくれるんです。」

イマドキの大学生が考える将来像とは

宮崎「私が人事をやっていたらみなさん採用したい人材なんですけど(笑)、大学卒業後は何したいとかありますか?短期、長期的なゴールを問わず教えてください!」

斎藤「これまでの自分の知識を活かして、国際的な経験や権限を与えてくれるような企業で働きたいと考えています。インターンの傍ら、来年の就活に備えて四季報を眺めながら企業研究をしています」

永瀬「女性だからなのかはわかりませんが、長期的なビジョンはまだないです。取材を通して、女性として色々な生き方をしている人に出会いまして。本当に人生イロイロ(笑)。でも、短い間としての目標としては、日本の大学生にとって、旅行だけでなく”働く”という形でも東南アジアに来てもらえるようにしていきたいなと考えています」

若目田さん「自分は今20歳なんですけど、25歳までに社会でしっかりと通用できるスキルを最低10個は身に着けたいです。営業やライターとしてのスキルはそこそこ身に着けたので、それ以外のスキルを」

湯浅さん「私は、40歳までにはアジアで食育事業をしたいな、なんて考えています。成長していく国のためには、その国の働き手が元気じゃないと。それの根幹になる食生活ってやっぱり大事ですから。その為に少しでも知識をつけて自分で食べ物を選べる人間を育てる、というのが私の夢です。実は、幼少期に両親共に重病で倒れ、そこから食べ物の力で回復した事が強烈な原体験としてはあるんですけど」

左からアルクテラスの斎藤悠平さん、「アセナビ」副編集長の永瀬晴香さん、HUBASIAの若目田大貴さん

 私自身、人生を10年長く生きる先輩として、訓示でも垂れてやろうかと思っていたが、全く逆に、私自身が多くのことを彼らから学ばせてもらった。イマドキの大学生は、私が大学生だった頃よりも、はるかにグローバルではるかにアクティブだ。そして、彼らなりの課題を自分で認識し、自分が好きなものを見つけている。こんなにイキイキとしている大学生がいるのか!彼らがまた、ASEANのスタートアップシーンを盛り上げているのも事実だ。日本の将来も明るいではないか!

  
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