2024年12月15日(日)

ASEANスタートアップ最前線

2015年12月8日

 辛い受験生活の後に迎えた「華の大学生活」は、バイトにサークルで大忙し。リクルートスーツ来て皆そろって就職活動。そんな時代はもう古い。私と10歳も離れていないイマドキの大学生は、我々よりもはるかに視野が広く、世界を舞台に活動している。

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 東南アジアで色々なスタートアップのイベントに参加すると、特に日本人が現地で起業した企業で、日本の大学生に会うことがよくある。聞くと、彼らは何も休みの間で来ているわけではなく、休学をして、もしくは留学をする傍らで現地の企業で働いているということだ。中でも、タイに集中している気がする。そこで、今回、タイで出会った日本の大学生に、どうして彼らが日本を飛び出し、どのような意識で課外活動をするに至り、実際に現場で何を感じているのか尋ねてみた。

日本を飛び出し海外で課外活動に取り組む大学生たち

 今回、4人の大学生を取材させて頂いた。まず、斎藤悠平さん。現在、大学の4年生だ。高校時代にニュージーランド、大学でタイのタマサート大学に留学した後、就職する前に企業での経験を積みたいと一念発起。大学を休学して、現在、教育系スタートアップのアルクテラスで、タイを拠点に、タイ、および韓国でマーケティング活動をしている。

 次に、永瀬晴香さん。現在、チュラロンコン大学に留学中の3年生だ。彼女は、””ASEANで働く”を近くする”をコンセプトに、ASEAN情報を発信する「アセナビ」の副編集長として、勉強の傍ら、精力的に取材活動をしている。女性を中心に、これまで数多くの取材をしてきた。

 そして、若目田大貴さん。HUBASIAという日系スタートアップで、ClassParkというウェブサイトのマーケティングの仕事をしている。彼も、斎藤さんと同じく大学を休み、長期インターンという形で、こちらにきている。まだ若干21歳だ。

 最後は、湯浅陽代さん。大学で東南アジアについて学ぶ彼女は、現在タマサート大学に留学中だ。タイ留学以前は、東南アジアで人材育成事業等を手掛けるUNLOCK DESIGNが運営するAWAYというプログラムに参加し、マレーシアの実地活動を通して起業経験を積んだ。来月からはタイの日系コンサルティング会社でインターンする予定で、精力的に活動している。

 私もアメリカに19歳、大学2年生の時に留学をしたが、ここまで精力的にインターンや課外活動をするなど、考えもしなかった。国際関係学部にいたため、同期のほとんどが海外で1年くらいは過ごす環境におり、海外に行くこと自体は珍しくはなかったが、東南アジアという選択肢をとった同期は少なかった。欧米の人気が圧倒的だった。国際開発嗜好の友人には南アメリカ、もしくは南アフリカが人気だった。アジアでは中国は確かに人気ではあったが相対的には少なく、ましてや東南アジアに留学した友達は少なかった。

 10年経った今、トレンドは確実に変わった、もしくはより多様になったようだ。彼らになぜ東南アジア、特にタイを選んだのか、これまでの経緯について聞いてみた。


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