ASEANスタートアップ最前線

2015年12月8日

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宮崎学 (みやざき まなぶ)

ベンチャーキャピタリスト

IMJ Investment Partners, Principal。2011年に株式会社電通に入社。以来、一貫してデジタル・マーケティング業務に従事。大手通販企業や金融機関のクライアント担当として、デジタルメディアを活用したマーケティング戦略立案と、事業成長にコミットした広告運用を得意とする。2015年、IMJ Investment Partnersに参画。ASEAN各国の投資案件発掘に加え、投資先の経営支援を行う。日本企業のアジア進出支援、アジアベンチャーの日本進出支援も担当。筑波大学にて学士(国際関係学)、東京大学にて工学修士(技術経営戦略学専攻)を取得。

※IMJ Investment Partnersは、シンガポールを拠点に、東南アジア全域で活動するベンチャーキャピタルです。本連載、並びにIMJ Investment Partners へのお問い合わせ・ご要望はこちら

スキルアップが出来る上に好きなことも見つかる

宮崎「実際、インターンや課外活動をやってみてどうですか?色々、学ぶこととか気づいたこと、ありましたか?」

斎藤「私は、現在学生という身分ながらも、企業ではマーケティングマネジャーという立場で管理の仕事をさせてもらっています。具体的には、タイと韓国のチームの管理をしています。メンバーが現地の大学生なんですけど、こちらが求めるように動いてもらう、モチベーションの上げ方や接し方について学ぶことができました。韓国の方は、兵役義務があるからなのか、きつく言ってもしっかりやってくれる。でも、タイだとその通りにはいかない。怒るのではなくて、細かく指摘する。そんな、国によってチームのリードの仕方が違うんだということを学ぶことができました」

宮崎「面白いですね。もともと斎藤さんはリーダー気質だったんですか?」

斎藤「いいえ。私はどちらかというと、中学ごろまでは受け身の人間だったと思います。はじめの原体験は、ニュージーランドへの留学ですかね。彼らって、すごい個人主義なんですよ。空気を全然読まない。個人主義だから、どんどん人を巻き込んでいく。そういう環境にいたからかもしれないんですけど、徐々に自分自身が能動的に動くようになったんだと思います。あと、現在働いている企業の社長が素晴らしくて。放任主義なんですけど、ここぞというときは社長自ら背中で示してくれるんです。社長からも、多くのことを学ばせてもらっています」

永瀬「私は、課外活動なので、取材自体は有給ではないんですよ。でも、なんでこんなに続けられるのかなって?ふと自分を省みたことがあるんです。気づいたことは、私って、取材をしている時、すごい自分自身がワクワクしているんです。取材している方のストーリーとか、お考えとかを聞いているだけで楽しい。タイに来る前からアセナビには参加していますが、実際にこちらに来てからの方がより精力的に活動できているんです。私自身、好きなことが何か、というのが見つかった気がしています」

若目田「では、自分は一つ、鼻をへしおられた経験を(笑)。もともとコミュニケーション能力に自信はあったので、こちらで営業として働かせてもらうときも、最初は自信満々でした。最初は電話でアポを取ってそれから会いに行く、という方式を採っていたんですけど、まず英語は通じないし、アポが取れても時間通りに来ないし、みたいな。非常に苦労しました。でも彼らの立場に立ってみるとよく理解できたんです。そりゃそうだよなって。私自身、彼らにとっては「外人」じゃないですか。まずはそこを理解して、もっと現地に沿ったやり方に切り替え、壁を壊そうと考えました。具体的には、直接会ってからアポを取る、という作戦です。頑張ってタイ語とかも覚えて。自分なりに現地語でジョークとかを言ってみて。すると、今までのやり方よりずっとスムーズに物事が進むんです。現地なりの懐の入り方、という貴重な経験をさせて頂きました」

湯浅「私は、今年の3月ごろ、マレーシアで日本語話者向けに古本市のイベントの運営をしていました。その時、現地のヘナタトゥーアーティストさんをお招きしたんですね。イベントに来た人へ営業した分は全てアーティストさんの取り分にしていい、という契約でした。でも、実際、イベントにはほとんど人が来なかった。結果的に、アーティストさんには十分な実入りがないまま帰してしまいました。とても申し訳なかった。それに上司の顔を潰した、と心が痛かった。イベントの責任者である私がしっかりしないと、そのイベントに期待してくれ、参加してくれた全ての関係者に影響が出る。お金の絡むビジネスの厳しさを身をもって学びました」

宮崎「みなさん、良い経験されていますね。斎藤さんや若目田さんのように、苦労したけれど、自分の工夫で困難を乗り越えた経験、きっと社会人でもこれからの学生生活でも役に立ちますね!永瀬さんのように、自分のスイッチが入る瞬間が何か認識できている人って、すごい貴重な気づきだと思います。湯浅さんも、うまくいかなかった経験からしっかりと学びを得ていて、素晴らしいですね。ちなみに、こういうアクティブに動く学生って、東南アジアに来る日本の大学生だけなんですかね?他の国に留学している日本人は?あるいは、タイにきている他の国からの留学生はどうですか?」

斎藤「私は、他の国でも珍しくないと思います。GAPイアーといって、一年間休んで何か好きなことをする、っていうのは他の国では何年も前からあり、当然のこととして受け入れられています。その波がようやく日本にも浸透してきた、と考えています」

湯浅「私は、東南アジアだからこそ、という地理的な影響もあると思います。私の近辺の友人の話にはなりますが、派遣留学でも、アメリカ留学の人たちの第一目的は「英語力向上」が圧倒的です。すると、学外で独自に活動する、というよりは学内で友人と交流の時間をできるだけ持とう、となってきます。あるいは、やはりアジアと比べると、大学の授業がきついので、どうしても机に向かう時間が長くなります。結果的に課外活動に力を入れることは欧米留学組ではあまり現実的ではないみたいです」

若目田「特にタイは、日系の企業が多く進出しているから、機会も多い、というのも事実だと思います」

宮崎「大学生の時に海外で好きなことをする!というのはグローバルスタンダードなんでしょうね。中でも東南アジアでは海外から積極的に企業が進出していますから、母国から現地に来ているインターンへの需要が高いと理解できました」

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