2024年12月6日(金)

ASEANスタートアップ最前線

2016年2月1日

世界同時株安が起きても起業ブームは止まらない

 年始から、中国経済の先行き不安をはじめとする世界同時株安のニュースが世間を賑わせている。2016年の経済環境は決して楽観視できない状況にある。しかしながら、起業家の数は減るのか? というと、そうもなさそうである、というのが現場で感じる意見である。

 弊社には、一日平均で4-5件、世界中のスタートアップから新規ビジネスの提案がコンタクトフォームから送られてくる。株価がどうあれ、その数が衰える気配は全くない。エリアで見ると、ASEANの中では、ミャンマーからの問い合わせが、アウン・サン・スー・チー当選後、とりわけ増えていると感じている。投資家の中ではまだ慎重な意見が多いことは事実だが、優秀な起業家がアクティブに資金を集めていることは事実だ。

 ビジネスタイプでは、グラブタクシーのような「オンデマンド型サービス」、ウーバーそしてAirBnBのような「シェアリング・エコノミー」のトレンドは、まだまだ止まらない。スペースを見つけてはオンデマンドやシェアリング・エコノミーの発想で新しいプロダクトを提供しようとしている。

 出会ったスタートアップの性質で見ると、2015年は、欧米に倣ったクローンモデルが圧倒的に多かった。ところが、最近では、欧米でさえ出ていない発想の企業に出くわすことがある。現地ならでは、というサービスではなく、グローバルにも展開しうる発想のサービスである。こうした企業が投資に値するか、成功するかはまた別の話だが、このトレンドを見ると、ASEAN発でアイディアが産まれたビジネスが、欧米で真似される、というような、逆タイムマシンも産まれてくる日も近いのではないか。即ち、ASEAN発のメガグローバル企業の誕生だ。こうした企業に出くわせるのか、本年も楽しみだ。

  
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