2022年6月28日(火)

赤坂英一の野球丸

2016年3月2日

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誰もが容易に手を染めてしまいかねない環境

 いまの日本プロ野球がそこまで薬物に汚染されているとは思わないが、誰もが容易に手を染めてしまいかねない環境にあるのも確かだ。NPBや各球団のトップは清原容疑者や野村氏の個人的な背後関係ばかりに目を取られていないで、秘かにどのような薬物が流行し、選手たちの手に渡っているかを洗い直すべきだ。清原容疑者や野村氏以前にも、現役引退後に覚醒剤で逮捕された野球人の大物がいた。現状のままではいつ第二、第三の清原や野村氏が出てきてもおかしくはない。

 ちなみに、『ボール・フォア』の著者バウトンは出版から8年後の1978年、39歳にしてアトランタ・ブレーブスと契約し、まさかのメジャー復帰を実現。5試合に登板して1勝を挙げている。これほど見事なカムバックはクスリに頼るだけではできないだろう。

【訂正と追記(2016年3月7日15時35分)】 記事中に事実誤認、及び誤解を与える表現がありました。グリーニーを「覚醒剤の範疇に属するれっきとした違法薬物」という一文を削除したほか、一部訂正しました。また、以下のように追記を書き加えます。

 興奮剤グリーニー(正式名称クロベンゾレックス)がNPB(日本野球機構)に禁止薬物に指定されたのは、選手のドーピング検査が導入された2007年からである。野村氏や巨人の選手たちが使用していた1998~2001年は、使ってもルール違反にはならなかった。

 その後、2004年、グリーニーはWADA(世界アンチ・ドーピング機構)によって禁止薬物に指定される。このため、翌05年にロッテで複数の選手が常用していると報じられたときは社会的な問題にまで発展した。

 また、日本の厚労省はグリーニーを医薬品にも禁止薬物にも指定しておらず、「未承認医薬品」と説明。公式HPでは「医師の適切な指導のもとに使用されなければ健康被害のおそれがある」として注意を促している。

 ジム・バウトンの著書『ボール・フォア』はMLBで大反響を巻き起こし、当時のコミッショナー、ボウイ・キューンは薬物の乱用を問題視。コミッショナー名義で『ベースボールvsドラッグ』という公式パンフレットを全球団に配布するという措置を取り、薬物汚染に歯止めをかけるきっかけとなった。

  
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