したたか者の流儀

2016年5月31日

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 原爆運搬の密使であるため、米軍のトップシークレットとされ、場所の特定ができず救助が遅れ、長く海上で浮いていたため、犠牲者も拡大したのだった。対潜水艦対策を怠り、犠牲者も多かったため、艦長は軍法会議にかけられている。終戦後、戦果を上げた日本側の潜水艦伊58号の艦長も米国に召喚されている。もちろん、戦時であり無罪であった。

 武士に情けか、対潜水艦対策で、ジグザグ運行をしていても、簡単に撃沈できたと証言したようで、そのおかげかインデアナポリス号艦長は無罪となった。しかし、後年、遺族の抗議に耐えきれなかったのか、サメの海で死んだ仲間を思ってか自死している。

神主として天寿を全う

 この伊58号は、有名な人間魚雷回天を積んでいたが歴戦の艦長は、状況から敢えて5本の通常魚雷を発射、3本を命中させている。しかし、艦長はこれが原爆を運んだ艦船だったとは知らなかった。

 知らずに仇討ちをしたことになる。知っていたら、数日前に、同じ海域を通ったときに仕留めているとの発言もあるようだ。これは自虐点ではないが、原爆の悲惨さを知って後の考えたことであろう。海軍兵学校卒のエリートの艦長はその後、弔いのために神職資格をとり、神主として天寿を全うしたという。

【修正履歴2016年6月1日】

3ページ4行目、同10行目「57」を「58」に修正。

  
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