世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年6月10日

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 中国はスカボロー礁に軍事基地を建設しようとしているが、もし米国がこの動きを阻止しなければ、米国は同盟国の信頼を失うだろう、との本社説の警告は、的を射たものと言えます。

 今日、南シナ海において国際間のルールや国際法の遵守を拒否する形で、中国が一方的かつ独善的にとっている現状変更の動きを国際社会は放置すべきではありません。スカボロー礁では、中国はレーダーとミサイルの基地を建設中です。

腰が引けたままのオバマ政策

 米国は目下、「航行の自由」作戦をとっていますが、ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、ホワイトハウスは4月「スカボロー礁をめぐる米中間の温度を下げるために」、もともと予定していた米軍のパトロールを一回取りやめた、とのことです。このようなホワイトハウスのアプローチは、オバマ政権の方針が依然、全体として腰の引けたものであることを示しており、現状のままでは同盟国が米国との同盟は役に立たない、との結論をくだしても不思議はないという指摘はその通りでしょう。

 フィリピンのドゥテルテ次期大統領は、現アキノ大統領と比較して、対中国融和論者と見られており、中国がこの政権交代に便乗するような形で、国連海洋法に基づく仲裁裁判所の裁定時期を遅らせることもあり得ることは、特に警戒を要する点でしょう。
  
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