対談

2016年6月23日

»著者プロフィール

久松:70歳というのは、体力的に厳しいということですか?

左藤:それもあるけど、ガラスを始めたときの立ち上げ感、あれをもう一回取り戻したいなと思うんです。

久松:わかります。そうやって過ちを繰り返す(笑)。僕ももう一度、予算を決めて、300万円なら300万円を使っちゃったら撤退する、と決めてやりたいですね

左藤:立ち上げは、大変だけど楽しいですよね。最初は一人で寒い季節にガラス、暑い時期は焼き物でいきたいんですけど、でもそれでは回らないでしょうね。ガラスをやってくれる人がいたら楽しいだろうな、と想像しています。

“夏の間暑さにあえぎながら仕事をしているように思われている。実際その通りなのだが、実は暑いのにはかなり強い方で夏が好きだ。楽しみが色々あるのだ。
火にあぶられ喉がからからになった時の飲み物のうまさが只事ではない。今年はセブンイレブンの炭酸水とホッピー(もちろん焼酎は入れない)を楽しんだ。日に何度か水を張った浴槽に浸かって熱中症になりそうな体を「冷却」するが、世の中にこれほど気持ちいいことはそうない。
結局気持ちいいことはいつも「苦しい」とセットになってないと駄目なんだといつも思う”
(『はじまりのコップ 左藤吹きガラス工房奮闘記』より)

左藤:久松さんの新規立ち上げは、やっぱり農業なんですか。全然違うこととか?

久松:異業種をやってみたい気持ちもあるけど、難しいですね。農園のなかでまだやっていないことをやってみたい気持ちはあります。やっぱり妄想の世界ですけど、社長業やマネジメントはそんなに好きじゃない。

 品目を絞った大量生産を、直販でなく流通経由でやってみたいんです。コストを下げてどこまでやれるか、ものづくりの腕試しでもあります。

 丁寧に手間と原価をかけて、高い価格で売るのが今のスタイルで、贅沢に作っているんですよね。別の客層で、どれくらいの品質かはわからないけど、ピンポイントに狙って作ってみたいんです。求められる品質と価格にジャストのものを作ってみたい。今は経営者として現場を離れているから、左藤さんみたいに毎日技術が高まっているという感覚がなくて、そういう時期も必要だとは思っていますけど、80歳までにはチャレンジできるんじゃないかな。

関連記事

新着記事

»もっと見る