行方不明者を捜せ
新たに掲載されたテロ予告は約6分間の映像で、撮影場所はシリアのISの首都ラッカの通りとされ、背景に車が行き交っているのが見える。映像は、アラビア語のナレーションで始まり地元での聖戦を呼び掛けた後、バングラデシュ出身とされる3人の若者が登場。
1人は「ダッカで目撃されたものは、単なる兆候にすぎない。バングラデシュに聖戦がやってきた。戦いに勝利するまで何度も繰り返される」と新たなテロを予告した。
この予告を受けたかのように、東部のキショルガンジ近郊で7日、男が警察の検問所に爆弾を投げ込んで爆発させた後、約5人が警官隊と銃撃戦を展開し、警官ら3人が死亡した。事件現場近くではラマダン明けの祝祭行事が行われていた。こうしたテロがここ数日の間、全土で起きる懸念が高まっている。
治安当局は、ダッカ事件では、実行犯の若者が数ヶ月前から行方不明になっていたことから、突然、姿を消した若者らのリスト作成を急ぎ、テロを未然に防ごうと動いている。
すでに明らかになっている行方不明者の中には、銀行家や判事の息子が含まれており、恵まれた家庭の出身という意味では死亡した実行犯5人のうち3人と共通項がある。
当局はISなど過激派に感化されるのを防止する措置として、過激派の交流サイトに投稿することを禁じると発表、破った者に対して罰則を科すと喧伝している。しかしこれによってISの影響力が小さくなると考える人はおらず、ハシナ政権が今後とも厳しいテロとの戦いを強いられることになるのは必至だ。
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