上司も部下も自由には選べない
実際は、上司も部下を自由には選べませんよ。もちろん、部下も上司を選べない。バカな上司に仕えてしまったら、実績を上げて、その人を出世させて、他部署に行ってもらうようにしたいね。自分がその空いた席につくのが、摩擦を起こさずに出世する唯一の方法ではないでしょうか?
私が関西の支社で支社長をしていたときに、後任にした男性はその後も真剣に仕事に取り組みました。神様が応援してくれたのでしょうかね。運がいいことが次々とおきて、立派な成績を残しました。見事に本社の営業本部長に抜擢されましたよ。
私はこの男性を「使える部下」と思っていましたが、私のことをどう見ていたのでしょうかね…。「使える上司」か、それとも「使えない上司」か……。彼は本部長を3年ほど務めましたが、病気になり、退職をしました。
今、私がかつての部下と会って酒を飲むとき、「あの時は本当に(指導が)厳しかったですねぇ〜」って異口同音に言うんです。私はこう答えます。「悪かったね! でも、あの頃の私のマネジメントを真似しちゃだめだよ。“どう喝のマネジメント”は長続きしないから」。
厳しかった元上司と30年近く経っても酒を飲んでくれる部下なんてかわいいじゃないですか……(苦笑)。
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