2024年6月16日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年7月20日


論説は、インドがモディ首相のもと、積極外交に転じていることの例として、中国を意識したイランとアフガニスタンを結ぶ鉄道・港湾の開発、アフガニスタンでの水力発電所の落成、米国との関係の緊密化を挙げています。米印関係緊密化がアジアの地政学に重要な影響を与えること、それが我が国にとり歓迎できるものであることは、言うまでもありません。

 論説はその他に、インドと原子力供給国グループ(NSG)につき、かなりのスペースを割いて論じ、インドが核拡散防止の重要な国際レジームであるNSGから締め出されていることは、インドにとって屈辱である、と言っています。

NPT不参加国

 インドは論説も言うように、核拡散防止に努めてきていますが、核不拡散条約(NPT)不参加国であるという理由で、その努力は十分評価されていません。NPTはインドにとって非合理的な条約です。インドは1974年に最初の核実験を行い、現在80発前後の核弾頭を保有しているれっきとした核保有国ですが、NPTが「核保有国」を、「1967年1月1日以前に核実験を行った国」としているため、インドはNPT上核保有国と認められていません。インドにしてみれば、なぜ中国が核保有国として認められ、なぜインドが認められないのか納得できません。その上、NPT不参加国ということで、核不拡散の努力が十分認められないのです。

 NSGについては、核不拡散体制に十分協力すれば、NPT当事国であることは参加の条件ではありません。インドは核不拡散体制に十分協力的であると考えられますので、インドのNSG参加は認められるべきであり、我が国も支持すべきです。インドのNSG参加は、インドを国際的責任を果たす国として認めることを意味し、インドの積極外交を後押しすることになるでしょう。


  
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