2024年11月22日(金)

大澤亮のキャリアアップ術 ~ 40歳で後悔しないためのキャリア選び~

2016年8月4日

 これらがハードスキルに区別されるべきかどうかはともかく、両方のスキルともに、コモディティー化が進み、差別化が難しくなっている、という意味で、重要性は薄れています。また、実は、どれだけ実際の業務に役立つか、という意味でも、問題解決やロジカルシンキングよりも、「何が本質的に重要なのか」を見極める本質重視の思考能力・スキルの方が重要だと言えます。

 問題解決力はあっても、解決すべき問題、つまり本質的な問題ではない問題を解決しても、業務上の意味は薄いからです。特に30代後半やマネージャー以上のポジションになると、あくまで、問題解決力は前提としての、本質重視の思考能力が必要となってきます。

「わかりやすいもの」に目が行きがち

 私も含め、ですが、日本人は特に、「わかりやすいもの」、特にメディアが特集するものや書店で売られているキャッチ―な書籍等に飛びつきやすいですので、そうしたものに惑わされないことも必要です。

 人によっては「このスキルを得られれば絶対に何とかなる」と思って、スキル取得のためにスクール通い等に全力投球する方もいますが、「このスキルを得られれば安泰」などという万能型のスキルは「ない」と思った方が良いでしょう。

 むしろ、ハードスキルも必要であれば、今の職場の付加価値のある仕事に集中したうえで、その余力や土日の時間を活用して、全体の1割か2割程度の時間配分で外部でのスキル取得を目指すくらいの感覚でいるべきです。

 こういうお話をすると、「とはいえ、ソフトスキルを高められるような職場環境ではない、付加価値の高い仕事を任されるような部署にいない。だからキャリアチェンジしたい。そういう人はどうすれば良いのか?」という質問も出てきそうです。

 なので、次回は、こうした課題を持つ人むけのキャリアチェンジをテーマにした記事を書きたいと思います。
 

  
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