これに対して中国人商店は休日なしで朝は9時から夜は21時くらいまで営業している。価格は同じ商品であれば地元の店より若干安い程度であるが、営業時間が長いのでコンビニ的な便利さが地元の人にも支持されて繁盛しているようであった。ヨーロッパの商慣習を逆手に取ったビジネスモデルである。
マドリード市内ではいたるところに中国人商店が
7月13日・14日 両日プラド美術館でゴヤ、グレコ、ベラスケスなどの名画を堪能した。プラド美術館以外には特に目的がなかったので残りの時間は市内をぶらぶらと散策。
飲み物やスナックなどを買おうと地元の人たちが行くような食料品店や雑貨屋を何軒か見ていたら中国人経営の店が少なからず存在していることに驚いた。不動産価格が高いような目抜き通りや表通りにはないが、少し裏に入った通りや普通の町角の店に入ると中国人オーナーや店員に遭遇するのであった。
プラド美術館から10分ほどの場所にある街路では100メートルくらい歩く間に3軒も中国系商店を見つけたほどである。チャイナタウンのように中国系商店が密集して軒を並べているわけではない。マドリードのあちらこちらに中国系商店が散在しているのである。
彼らは過去10年以内に中国各地から渡航してきた新規移住者でスペイン語は商品名、金額をやっと表現できる程度で英語は片言のみのレベルであった。そして店構えや内装は古めかしい。昔から営業している地元の商店を居抜きで買い取るか借りて初期投資を抑え、同時に周囲の既存商店よりも営業時間を長くして資本回転率を上げているのであろう。
中国庶民階級の海外進出が世界を変える
中国の特権階級や富裕層が日本はじめ世界各地の高級不動産を買い漁っていることは頻繁に報道されている。他方で中国の庶民階層の海外進出の実態は余り知られていないが世界を歩いていると巨大なうねりを実感する。