AIはシンギュラリティの夢を見るか?

2016年12月7日

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仕事でもチャットがメールに代わる

 10月21日に、国内外の弁護士や企業の法務部門・知財部門等の担当者を対象にした「第4回リーガルテック展」が開催された。主催したAOSリーガルテックの佐々木隆仁社長の講演のなかで、開発中の「AIリーガルボット」というチャットボットの紹介があった。

 国内のスマートフォンの普及率は50%を超えたが、その多くのユーザーがLINEやFacebook Messengerのようなチャットアプリでのおしゃべり(チャット)に夢中になっている。これは世界的に見ても同様の傾向だ。ゲーム以外のスマートフォンのアプリのアクティブユーザー数を見ると、ほとんどの地域で、何らかのチャットアプリが1位か2位になっている。チャットボットとは、そのようなチャットアプリで、おしゃべりの相手をするソフトウェア(ロボット)だ。

 1995年にソフトウェア会社として設立されたAOSテクノロジーズ(AOSリーガルテックの親会社)は、パソコンなどの消えてしまったデータを復元できるデータ復元ソフトで日本の市場をリードしてきた。2001年には、警察機関の犯罪捜査のためのデータ復旧サービスの提供を開始した。大相撲の八百長事件で、消されてしまった携帯電話の復旧調査が、メディアの注目を集めたことを覚えている方もいるかもしれない。

 ビジネスの現場においてもチャットアプリがメールにとって変わりつつあるが、一般消費者向けのチャットアプリを仕事で使用することには大きな危険が伴う。AOSテクノロジーズは、データ復旧のサービスをする過程でその問題に気づき、暗号化された安全なチャットが可能で、リモートで履歴や、つながりを消すなどの管理機能を備えたビジネス用途向けのチャットアプリInCircleを開発した(佐々木社長)。

 佐々木社長と、InCircleのユーザーの高橋喜一弁護士、そしてAOSテクノロジーズ傘下のAOSモバイルで、InCircleの開発責任者を務める米川孝宏博士に、AIリーガルボットの開発状況や、日本のリーガルテック(法律分野におけるコンピュータ技術活用)についての話を聞いた。

 高橋弁護士(所長)のコスモポリタン法律事務所では、2014年にInCircleが発売されてすぐに使い始めた。

高橋氏 それまでもチャットアプリを使っていたが、端末にメッセージが暗号化されないまま保存されており、従業員が退職してもチャットの履歴(情報)が残り、つながりを使って他の従業員の引き抜きをするなどの懸念もあった。従業員が個人保有の携帯用機器を職場に持ち込んで業務に使用するBYOD(Bring Your Own Device)も一般化しており、退職時などに、そのデータをすべて消してもらうことは難しい。セキュリティのないツールを使うことは、取引先の信頼や契約を失う原因になる。

 InCircleは企業ごとのセキュリティのポリシーに準拠して、取引先やアルバイトなどを含めたユーザー管理をすることができる。

米川氏 InCircleという社内コミュニケーションのための新しいツールを活用することによって、経験の豊富な人の知見を共有することができるなど業務の効率化が可能になる。それはいろいろな業種で仕事革命を起こすはずで、まずは法律の業務分野に取り組んでいる。InCircleはまだコミュニケーションツールだが、これから業務支援ツールに成長させていきたい。

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