2024年4月26日(金)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2017年1月13日

 相手を叱る必要がある場合の大半は、こちらの感情が波立つ時でもあると思います。腹が立ったり、焦ったり、もどかしかったり、情けなくなったり。

 問題に遭遇した時、そういうマイナスの感情が生まれることは自然なことです。そういう気持ちが生まれないようにする、といったことは必要ないと思います。

 ただし、腹が立つ気持ちと、「叱る」こととを区別する必要があります。腹が立つ気持ちのままに、相手に何かを言ってしまったときには、「今、自分は叱れてないな。怒りを伝えているだけだな」と、自分の感情を理解するのです。

 お分かりの方が多いと思うのですが、この時に「本人のために叱ってあげているんだ」と自分を正当化しようとすると、非常にまずい展開になります。

 認める気持ちがないままに、マイナス感情を表してしまうことは、くれぐれも避けましょう。

 心の中で「1,2,3,4,5,6」と6秒数えて、それから口を開くようにするだけでも、ずいぶん落ち着いて話せると思います。

 (2)のなぜ叱られたのかが相手に分かるように伝えることも、心掛けたいですね。

○方法を間違えたから叱られた
○方法はあっているが質、水準が期待外れだから叱られた
○意識の面で反省すべき点があるから叱られた
○順番を間違えた、優先順位が違っていたから叱られた
○ルールを破っているから叱られた

 など、「なぜ?」が相手にとって分かるものでなければ、叱っても本人の気づきや改善行動につながりません。自分にとって当たり前すぎることでも、相手にとってはどうなのかを意識して言葉を選んで指摘するのが良いですね。

 そして(3)の相手の考え方や立場へも配慮を示すという点ですが、先にお話しした「褒める」3要素と同じことです。観察、理解、共感を大切にすればそれほど難しいことではありません。

 色々な話をしましたが、今回お伝えしたかったことは、褒めることと叱ることは裏表の関係で根っこは同じだということです。

 お子さんにせよ、部下の方にせよ、成長を喜ぶ関わりをしていきましょう。

 次回は「才能の見つけ方」についてお話ししたいと思います。

 

  
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