ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2017年1月13日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

人を育てる褒め方のポイントは3つ

 では、「本人が育つように」「褒める」とはどうすることでしょうか?

 「褒める」を辞書で調べると「良い行いだと評価してたたえる」とあるのですが、私が思うには、人を育てる褒め方というのは3つの要素から成り立っているようです。

 それは、

(1) 認める
(2) 共感する
(3) 一緒に喜ぶ

 の3つです。

 「認める」とは、相手をよく観察し、理解することです。本人が持つ力、行っている努力、上手く行っていること、そして思うように行っていないことも含めて、先入観なしにあるがままの姿を観察します。そして、観たままの姿として、良いも悪いもなく、本人のことをそのまま受け取ります。「そうなんだね」という感覚です。

 「共感する」とは、相手の状況をあるがままに理解した上で、相手の心の内を肯定的に感じ取ることです。「上手く行って嬉しかったね」「安心したね」「自信が持てたね」「努力したことに満足がいったね」「今の自分が好きだよね」といった感じ方ですね。本人がそのような言葉で自分のことをとらえていなくても、それは問題ありません。大切なのは、本人の中に「自分はがんばれた」「力がついてきた」「今いい感じがする」「納得だ」といった実感が在ることです。自分が在ると感じているものを、相手に感じ取ってもらえた時に、人は褒められた実感を抱くことができます。

一緒に喜ぶ名監督

 そして「一緒に喜ぶ」。言葉通り、こちらが喜ぶのです。子どもであれ部下であれ、褒めたくなる点に触れられたことが嬉しい、本人の自信や喜びを感じ取って嬉しい、そういう気持ちから自然と笑顔になって、「やったね!」「すごいやん!」「さすが!」という言葉が出てくる瞬間です。

 一昔前の体育会系の監督のように、むすっとした顔で「やればできるじゃないか。それでいいんだよ。忘れるなよ」などといかにも評価してやるといった言い方ではありません。

 青山学院陸上部の原晋監督のように、女子サッカーなでしこJAPANの佐々木則夫前監督のように、満面の笑顔で一緒になって「よっし!!」と喜ぶ姿です。

 これが一番人を育てる褒め方です。

 自分を信じて認めてくれた。喜んでくれた。その思いが、自ら考えて行動しようとする意欲をかきたててくれます。

 子どもでも、大人でも同じです。

 このように見てくると、人を育むには適切に「褒める」ことさえできれば良くて、「叱る」必要はないんじゃないか。事実をあるがままに観て、上手く行っていないことは上手く行っていないと認めるだけで十分なんじゃないか。

 そんな思いに駆られそうにもなります。

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