Wedge REPORT

2017年2月28日

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「Alexa冷蔵庫」はAmazon Freshと連動
(写真・KEVORDJANSEZIAN/GETTYIMAGES)

 今回、家電メーカーのLGからAlexaが搭載された「冷蔵庫」が発表された。LGのAlexa対応冷蔵庫は、さらにAmazonが展開する生鮮食品デリバリーサービス Amazon Freshとも連動している。冷蔵庫を開けて牛乳がなければ「Alexa、牛乳買っておいて」と冷蔵庫に話しかけると、2時間以内に自宅まで届くということだ。

 まずは日用品から始まり、生鮮食品へ。将来的には、Alexa対応の鏡で洋服のバーチャル試着ができるようになれば、洋服なども家電から注文する時代が来るかもしれない。

 みずほ証券の調査によれば、将来的に、Alexa経由でのeコマースの売り上げが、Amazon Echoのハードウェアとしての売り上げを追い抜くと予想されている。つまり、Amazon Echoの本質は、「ハードウェア」ビジネスではなく、「eコマース」ビジネスなのだ。

 自社のハードウェアEchoが大ヒットしているにもかかわらず、それと競合するかもしれないハードウェアを多数生み出すことになるAlexaのパートナーシップ戦略には、「IoTコマース」というまだ見ぬ巨大マーケットにおける覇権を握ろうというAmazonの深謀遠慮が隠れているのかもしれない。

「家族の会話」や「足音」も聞いているAlexa

 Amazonの戦略の核となっているのが「プライム会員」と呼ばれる会員制度だ。米国では年会費99ドルを支払ってプライム会員になると、2時間以内の商品の即時配送、配送料無料などの特典が付与される。特典はこうした配送関連にとどまらず拡大を続けており、現在では、音楽聴き放題、映画/ドラマ見放題、Kindle読み放題などコンテンツ分野にも及んでいる。こうした取り組みも功を奏して、会員数は順調に伸び、すでに8000万人を超えたと言われている。

 Amazonで買い物をすると、過去の購買履歴や他人の情報などからオススメの商品をレコメンドされるのは有名だが、これが音楽や映画などの世界にも広がっていくことになる。裏を返せば、Amazonが我々について「知っている」ことは、これまでは買い物の傾向だけだったものが、趣味嗜好などさらに幅広い分野に広がっていくことになる。Echo、Alexa家電が普及することで、さらに拡大する。

 Alexa対応端末は、指示を聞くために「常に電源がON」の状態で家の中の音を聞いている。また、複数のAlexa端末が同じ空間に存在することを想定して、利用者がどの端末に話しかけているかを理解するための空間認識機能が付いている。つまり、家庭の中で、音がどこから発せられているかを常に把握することが可能なのだ。

 すると、これまでは家族しか知らなかった、自宅の中での家族の行動パターン(起床時間、食事時間、入浴時間など)、移動ルートなど非常に細かい家庭内での情報がAmazonに溜まっていくことになる。企業は、新商品の企画や広告効果の測定などの際に、現在でも限られたサンプル数のユーザー調査などを活用している。

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