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Wedge REPORT

2017年2月28日

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宮田拓弥 (みやた・たくや)

Scrum Ventures 創業者兼ジェネラルパートナー

早稲田大学大学院理工学研究科薄膜材料工学修了。ソフトウェア、モバイルなどのスタートアップを複数起業。現在は、米サンフランシスコを拠点に、スタートアップへの投資を行うベンチャーキャピタルを経営する。

 私のアドバイスは、まずはいち早く「利用者の声を聞き始める」ということだ。いくつかの方法があるが、一番手っ取り早いのは「スキル」を提供することだ。米国では、小売り、金融機関、メーカーなどありとあらゆる業界の企業がスキルの提供を始めている。

 Alexa家電自体が新しいコンセプトのため、どのようなカテゴリーのどんなスキルがヒットするのかはまだわからないが、スマホにおけるアプリのような大きな可能性を秘めている。いち早くユーザーの「声」を聞き始めることで、商品企画などのヒントも見つかるかもしれない。

 もう一つはハードウェアを作っているメーカーであれば、Alexa家電の開発を検討することだろう。Amazonは、Alexaに関してパートナー戦略を採っており、基本的にはメーカーが、無料でAlexaをハードウェアに組み込むことができる。OSとスキルを握られた中でAlexa家電を展開することにどれだけの旨みがあるかは未知数だが、ヒット商品となれば、Amazonと同様にいち早く「家庭の声を聞ける」ことになるのは大きな意味がある。

 もちろん望むらくは、Alexaと正面から戦いたいところだ。この戦い方をしているのは、現時点ではGoogle Homeを出しているGoogleと、中国で独自OSのYun OSを展開しているAlibabaのみだ。いずれもAndroidをベースにしており、技術的には実現可能だが、この戦略を採るには膨大な予算とリソース、そして時間が必要であり、現実的ではないかもしれない。

 07年のiPhone誕生から10年の時を経て、今度は「声」の時代がやって来る。この新しいカテゴリーの製品が、人々の暮らし、ライフスタイルをどのように変えていくのか非常に楽しみだ。同時に、スマホでは非常に厳しい結果となった日本メーカーが、この新しいカテゴリーでどのような戦い方をしていくのかにも注目していきたい。

  
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◆Wedge2017年3月号より

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