2024年4月27日(土)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2017年4月5日

満足感を満たすのは「食事の中身」だけではない

 生理的には、「満足」は栄養素が満たされていることが基本になる。しかしそれを満たそうとするのはそう簡単にできない。ここでは、仮に栄養素的に満たされてはいなくても「満足感が満たされる=食べすぎにつながりにくい」食事法をご紹介する。

●量よりもバランス
 満足感の基本は栄養バランス。いくら量的にたっぷりと食べても、バランスの悪い食事内容では満足感を得られないため、またすぐ、何かを食べたくなる。

●ゆっくりと時間をかけて食べる
 いくら栄養的に整っている食事であっても、流し込むようなスピードで食べ終えてしまっては満足感は得られない。忙しいビジネスパーソンとはいえ、少なくとも(どの時間帯でもよいが)一日に1回はゆっくりと時間をかけて味わう食事をしよう。時間をかけて食べると、食事をしている間に血糖値が上がってくるので満腹感も生じ、食べすぎを防ぐことにつながる。

●いつも一人で食べない
 食事内容も重要だが、食べる環境も満足感に影響を与える。「いやな仲間といっしょに食べる(極端なケースでは上司に怒られながら食事する)くらいなら1人で食べるほうがまし」ということもあるが、いつもいつも1人では味気ない。楽しい仲間と一緒に食事をする機会を作ろう。楽しい食事は満足な食事に通ずる。あなたが「満足した食事」を思い出してほしい。そこにはきっとだれかがいたはずだ。

●主食に変化を持たせる
 日本の食事には「主食」という概念がある。ご飯・パン・麺類のことだ。一日三食の主食を、たとえば「朝はパン・昼は麺・夜はご飯」というように変化を持たせることによって、食生活がバラエティに富み、満足感が増す。

●器に盛ろう!
 家の外で食べるのを外食、家で料理を作って食べるのを内食といい、お総菜等を買ってきてそれを家で食べるのを中食という。この中食がビジネスパーソンでも増えているようだ。面倒なので、ついついス-パーやコンビニのビニール袋から出したままをテーブルに置いて食べ始めてしまうことが多い。でも、たまにはそれを器に移して食べよう。飲み物もペットボトルからそのまま飲むのではなく、グラスに移してみよう。

 それだけで、「空腹を満たすだけ」ではなく、「食事をした」という気持ちになる。たしかに、後片づけなどが面倒なように思えるが、食事を整えたり片づけたりという「食行為」も満足感に影響を与えるといわれている。

 今回は、私があまり得意とするところではない「気持ち(心)」の分野に踏み込んで書いた。エビデンスが必ずしも充分ではない記述もあるが、経験豊かなプロの管理栄養士に取材した内容なので、ぜひ一度お試しいただきたい。


編集部おすすめの関連記事

新着記事

»もっと見る