2024年4月25日(木)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年4月9日

エマ・ジーンの息子ブライアンの愛情物語

 パンフレットを読み終わってから、店を仕切っているもう一人の女性に話を聞くと現在はエマ・ジーンの息子のブライアン・ジーン36歳が店を継いでいるという。厨房から出てきたがっちりとした大柄の男性である。

初代から数えると三代目のこのお店のオーナーのブライアン。思わず友達になりたくなるナイスガイだ

 この女性、ショーナはブライアンの奥さんであると自己紹介した。ブライアンは腕の良いコックで彼が考案したブライアンバーガーは人気メニューであると旦那自慢を始めた。

 ショーナに二人の馴れ初めを聞くとショーナの家族はテネシー出身で父親の仕事の関係でショーナ一家は当地Victoryvilleに引越してきた。ショーナが高校時代に10歳年上のブライアンと知り合った。小さな町なので二人が交際していることはすぐに町中に知れ渡った。当然双方の両親も二人の交際を認めていた。

ブライアンの嫁さんのショーナ。姑のエマにも尽くしているらしい。右後方は臨時バイトのご当地ギャル

 17歳でショーナが高校を卒業した年に彼女の父親は仕事を辞めてショーナの家族は出身地のテネシーに戻った。しかしショーナはブライアンと別れることはできないと決心して一人でVictoryvilleに残った。それから5年、ショーナが22歳の時に二人は晴れて結婚した。

 結婚してから4年間ショーナはブライアンと二人力を合わせて店で働いてきた。多数の常連さんがいるので休日は週一回だけ。1年間でまとまった休暇はクリスマス前後の三日間だけという。それでもショーナは「毎日ブライアンと一緒に元気で働けることが最高の幸せなの」と断言した。

 「私は今26歳だけどエマから引き継いだこのカフェをこれからもずっと二人で続けてゆくのが私のドリームなの」と最後にショーナは少し恥ずかしそうに語った。朝から“いい話”を聞いて嬉しくなった。エマ・ジーン・ホラントバーガー・カフェがルート66のレジェンダになっているのも納得できた。ルート66旧道をまったりと辿るとこうした“いい話”に出会えるのが魅力である 

⇒第6回に続く

  
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