５）鋼鉄の意志を持つ
無論、KPIを設定するだけではなく、いわゆる成功する人の本質は、それを達成するための確固たる意志の力にあるような気がする。ダイエットでも同じだろう。元々メタボな人が、痩せて健康な体を手に入れるためには、ライフスタイルそのものを変え、毎日運動したり太りにくい食事を心がけたりと習慣づけた人を意味する。ビジネスの世界でいえば、人生のKPIを必ず達成するために、アクションプランを作り、球を打ち続け、だめならそれを見直す。当たり前なのかもしれないが、これをひたすらひたむきに実行できている人は、意外にも少ないような気がする。
高い目標を掲げているか、達成困難な人生のKPIを掲げているか、これがその人の志の高さにつながる。無理だよね？と周りからはいわれるかもしれないが、それを現実的な日々のステップの積み重ねで道を創っていく。この道を提示して周りを巻き込める人のことをビジョナリーというのだろう。基本的には無理難題だから、辛い日々の連続になるわけで、ふつうの人はチャレンジをしないか、甘えてやめてしまう。成功する人は、つまり成功するまで続けることを意味し、尋常ない努力をストイックに続けてきた人なのだろう。言い換えれば、「良い習慣」を自ら作り出し、自ら続けてきた人なのだろう。
最後に
以上書いたことは、すべて国籍や文化に関係なく、普遍的な一つの真理のような気がする。私自身、こうした大事な価値観に気づくことができたのは、日本を離れ、混沌とした中で一人もがいたからだと思う。このような機会をくださったスパイラルベンチャーズ（旧IMJインベストメントパートナーズ）の皆さん、そしてスパイラルベンチャーズを支えてくださっている投資家を始めとした皆さまには本当にお世話になり、心から感謝の意を述べたい。また、私と向き合ってくれたASEANの起業家の皆さんには敬意を表したい。多くは同世代の、これからのアジア市場を創る起業家の皆さんと触れ合うことで、私も多様な価値観を得ることができ、また彼らのアプローチを自分の資産とすることができた。最後に、自分の野望にいつも付き合ってくれた家内と、本連載の機会を頂いたWedgeの皆さま、そして読者の皆様に御礼を申し上げ、本連載を終了とさせて頂きたい。本当にありがとうございました。
今後は、東京に戻り、ベンチャーキャピタリストとしての活動を続ける予定です。LinkedIn経由でお気軽にコンタクトください。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。
