2024年11月22日(金)

ASEANスタートアップ最前線

2017年4月14日

4)人生のKPIを設定する

 私が東南アジアで2年間生活して、最も良かったと思えることは、成功した起業家の方とご一緒にさせて頂く機会が多かったことだ。日本からだけではなく、世界中から、いわゆるEXITした起業家の方がシンガポールに移住している。こうした方と懇親を深めていく中で、一つ、いわゆる成功した方と私の思考パターンに決定的な違いがあることに気づいた。それは、人生のKPIを持っているか否か、言い換えれば、ビジョンに対して期間とゴールを定量的に定めているかどうか、という点である。

 ダイエットで考えるとわかりやすい。「やせたい」とただ思って行動するのか、「今年の12月までに3キロ痩せたい」と思って行動するのか、の違いである。この思考の違いは人生に大きな影響を及ぼすと思う。「痩せたい」と思っても、大切なのは、「いつまで」に、「どれだけ」という量を決め、今日一日何をするか決めていく。決めることで、振り返ることができる。成功している方には、このマインドセットをもっている人が多いような気がする。「個人の資産は5年で30倍にする」「今後10年で50社と3万人の雇用を途上国に産みだす」「今の企業価値を3年で5倍にする」などなどだ。私自身、「海外で働きたい」とか、「VCで働きたい」とか、そんな定性的なマインドセットだったが、この2年で、いわゆる定量的な目標を持つように心変わりした。

 金儲けがすべてだとは思わない。人生のKPIには、経済的な目標以外にも様々あるだろう。私の言いたいことは、きちっと人生のKPIを決めて毎日を生活している人は、優先順位をつけて会う人や時間の割り振りを決めて日々行動している。時間は有限であり、最も大事な価値だけに、漫然と、だらだらと過ごしている人とは全く考え方も生活サイクルも違う。私自身も、こうした人に囲まれることで、人生のKPIを立てることができたし、今日一日の目標に落とし込み、毎日充実したかどうかで振り返るようになった。


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