2024年11月21日(木)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年6月18日

ロサンゼルス近郊の洗礼派教会では

 5月16日(月)。San Bernardinoはロス近郊の小都市である。閑静な住宅街を走っていたら教会があったので休憩がてら見学。Sunrise Churchというバプティスト教会である。

洗礼派サンライズ教会の外観

 ちょうど教会のスタッフが食堂でランチをしていた。食事を終えた黒人のスタッフ、ジョンが教会を案内してくれた。Sunrise Churchはこの地区に6つの教会があり専従スタッフだけで30人という。30人がボランティアではなく教会から報酬を得てフルタイムで働いている。

 教会内部は広く、体育館がありバスケットボール、バレーボール、卓球などができる。年代別に教会チームが幾つもある。土日に大規模な礼拝をする大ホールは収容人員1500人と中規模コンサートホール並みである。最新鋭の音響照明装置がありオペレーションルームもある。

 土日の礼拝(Weekend Service)は1日2回計4回、毎週ここの教会だけでも合計5000人~6000人が参列する。教会の調査では参加者の過半数は高校生から30歳以下の若者であるという。若年層が教会を支えているという現実。ヨーロッパで若者の教会離れが当たり前になっている状況と比較すると信じられない数字だ。

教会では日曜礼拝以外は何をしているの?

 ジョンはミュージシャンであり音響調整係(sound engineer)とゴスペルソング指導を主に担当。地区には他に5つ教会があるのでそちらの音楽指導や音響装置調整もあるので多忙な様子。二か月後の6月に埼玉県川口市で行われるゴスペル・チャリティー・コンサートに教会のゴスペル合唱隊(Gospel Choir)が参加するという。記念に日本語のチラシをもらった。

 「教会は週末礼拝の他、結婚式、スポーツ活動、様々なサークル活動、子供のキャンプ、地域における慈善活動、など幅広く活動しており地域コミュニティーセンターとしての役割を果たしている」とジョンは胸を張った。

マクドナルド博物館と町外れの“プリティー・ウーマン”

 教会見学をしてルート66旧道に戻りマクドナルド博物館へ。ルート66が衰退してゆくなかでマクドナルドが全米に拡大してさらには世界企業に発展していったという歴史が写真や様々なマクドナルド・グッズで分かる仕組みになっている。

マクドナルド第一号店(現在はマック博物館)

 博物館を出ると白人のジーンズをはいた20代のちょっとイケてるお姉さんが愛想よく挨拶してきた。他愛のない話をしていると1ドル50セント持っているかと聞いてきた。バスに乗るのにあいにく小銭の持ち合わせがないという。早い話が乞食だと察したので「実は自分たちも小銭がなくて困っているんですよ」と丁重にお断り申し上げた。

 町の繁華街を抜けると次第に寂れてくる。ホームレスがあちこちにいる。さらに町外れの格安のモーテル街に入り速度を落として価格をチェックしながら走っていると道端の日陰でたむろしているギャル達が意味ありげに視線を投げてくる。

 立ちんぼうのストリートガールだ。この場末のモーテル街全体で50人くらいが昼間から客を探して立っている。白人、黒人、メキシコ系と多様であるが遺憾ながら映画“Pretty Woman”のような美女はまったくのお伽話のようである。

 サンライズ教会のジョンが語ってくれた教会の慈善活動の成果は未だにホームレスやストリートガールには及んでいないようであった。米国は自己責任社会であると言われているが“自助努力”が足りないと神様のご加護やご慈悲が届かないのは洋の東西どこでも同様であろう。


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