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ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2017年9月4日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

「目的」や「目標」が先にないといけない

 さてここまでお話ししてくる中で、私は、「考える」という言葉と「思う」「感じる」という言葉を区別して使ってきました。

 これらの言葉はいずれも心の働きに使われますが、どんな違いがあるか説明できますか?

 「考える」とは、「知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせること。」と辞書にあります。

 「思う」は、「ある物事について考えを持つ、感じる、心を働かせること。」

 「感じる」は、「心を動かされる、ある種の気持ちを持つこと。」です。

 いずれも頭や心を使うという点では共通するのですが、「考える」が他の二つと異なっている点がありますね。「知識や経験などに基づいて」「筋道を立てて」という部分です。

 つまり「考える」とは、

 何もないところから新しい何かをぱっと生み出すことでもなく、

 取り留めなく思いを巡らせることでもないのです。

 筋道を立てて頭を働かせるのですから、どちらの方向に向けて考えを進めていくのかという、「目的」や「目標」が先にないといけません。

 そんなの当たり前じゃないかと思った方、だからこそ、この「目的や目標が先にある」ということがポイントになります。考えることが苦手な人の大半は、何を目指して考えようとしているのか分かっていないまま頭を使おうとしているという間違いを犯しているからです。

「対象」「目標」「材料」の問いかけを

 受験指導でも、企業の人材育成コンサルティングをさせていただく時も、私は決まった問いかけを行います。

1.いま何について考えたいですか?(何が問題ですか?)【対象】
2.どうなることが目標ですか?(どうなればいいですか?)【目標】
3.いま分かっていることは何ですか?(使える知識や情報には何がありますか?)【材料】

 この3つを、この順番で問いかけます。

 例えば「もっといい方法がないか考えてこい!」と上司から言われて、慌てて「何か」を考えつこうとしている人がいるとします。頭に血を昇らせるように、力を入れて、何かが思いつかないかと一生懸命になっています。

 この人に、「いま何について考えたいのですか?」と問いかけると、そういえば何についての「いい方法」だったっけ? と改めて振り返ることができます。一歩引いて冷静になる感覚です。

 少し冷静になった彼の口から、「新商品をお得意様にどう提案すればいいか、ということについてです。」と【対象】が整理されて出てきました。

 次に「ではどうなることが目標ですか?」と問いかけます。

 まだ焦りの抜けない彼は、一拍も置かずに「いい方法を見つけることです」と答えてしまうかもしれません。残念ながらこれでは筋道立てて考えていくことは、難しいですね。なぜなら、目標は具体的なものでなければ目指すことができないからです。向かう方向がぼんやりとしていると、頭が上手く働いてくれないのです。

 ですから「いまの場合だと、どんな結果につながるのが『いい方法』ですか?」と具体化の質問を重ねて、目標をよりはっきりとさせていきます。

 すると、「お客様が『まさにいま欲しかった商品だよ』と言い値で購入してくださるような、お伝えの仕方です」という答えが返ってきました。

 【目標】が見えてきました。

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