2024年12月23日(月)

中東を読み解く

2018年10月12日

クシュナー氏がピンチに

 事件で最もピンチに立たされているのが大統領の娘婿クシュナー上級顧問(37)であるのは衆目の一致するところ。同顧問は昨年の春に皇太子と初めて会って以来、親しい関係を築き、トランプ大統領の初外遊の地にサウジアラビアを選択させた。2人は個人的に電話をし合っており、政権の一部から“暴走”を懸念する声もある。

 トランプ政権はイラン孤立化と中東和平推進のため、サウジを米政策の支柱と位置付けてきた。その中心となってきたのが若手の2人の親密な関係だった。しかし、事件を機にクシュナー氏に対する風当たりが強まるのは必至で、同氏は政治的なピンチに立たされた格好だ。

 サウジでは来週、スイスのダボス会議をもじって「砂漠のダボス会議」と銘打った投資会議が開催される予定。米国はムニューシン財務長官が財界の大物たちを引き連れてサウジに大挙押し掛け、皇太子が講演する計画だった。しかし、事件を受けて参加を自粛する動きが出れば、クシュナー氏にとってはさらに打撃となるだろう。

  
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