安倍総理は、10月25日から26日にかけて中国を訪問、習近平国家主席および李克強首相との首脳会談に臨んだほか、日中財界のトップも多数参加した「第三国市場協力フォーラム」や北京大学での学生との交流に参加するなどした。
日中首脳会談等で合意した主要点、日本側が主張した注目点をごく掻い摘んで紹介すると、次の通り。
・第三国民間経済協力を推進(上記「第三国市場協力フォーラム」もその一環)、日中イノベーション協力対話を新たに創設。日本側は、開放性、透明性、経済性、対象国の財政の健全性の4つを条件に、質の高いインフラ事業に限り日中の企業間協力を支援(「第三国市場協力フォーラム」における安倍総理のスピーチ)。
・通貨スワップ協定(互いの通貨が不足した日中の金融機関に対して同通貨を供給する)の締結・発効。
・日本産食品の輸入規制の緩和に向けて積極的に検討。
・RCEPの早期妥結及び日中韓FTAの交渉加速化を目指す。WTO改革を推進する。
・WTOをはじめとする多角的自由貿易体制を一貫して重視する日本の立場を説明すると同時に、補助金や知的財産権を含む問題について中国側が更なる改善を図っていくことが重要である旨指摘。
・「東シナ海の安定なくして真の関係改善なし」との日本側の問題意識を伝達。
・本年5月に合意した防衛当局間の海空連絡メカニズムの初の年次会合の年内開催で一致。日中海上捜索・救助(SAR)協定に署名。
・東シナ海における資源共同開発に関する「2008年合意」について、実施に向けた交渉の早期再開を目指す。
・安倍総理から、米国との同盟関係を外交安全保障の基軸としつつ,アジア太平洋地域の平和と繁栄に貢献するとの日本の立場について説明。
・朝鮮半島の非核化に向けて、関連安保理決議の完全な履行の重要性を改めて確認。拉致問題に関する日本の立場につき、中国側は理解し支持する。
参考:外務省ホームページ